80.信頼 ページ34
野坂の衝撃のカミングアウトは驚いたが、それ以上に気になる物がエマにはあった。
「…やっぱり…いる…」
一星と瓜二つの少年霊。
気にせいだと思ってあまり気にしてなかったが、今ではくっきりと見えるようになった。
エマの経験上、人間の姿をしている霊は大抵、ある程度の言葉を交わせる。少年霊に声を掛けようと目を紅く光らせたその時。
「一星、何やってんだよ！」
一星を叱りつけるような明日人の声にハッとして、慌てて妖術の発動を止めたエマ。
「お前は悪い奴じゃない。プレーを見ていればわかる。どうして俺たちに何も話してくれないんだ！」
明日人がそう言うと、それまで話を聞いていたヒロトが一星に言った。
「お前の弟の手術代、俺が親父に頼んで借りてやるよ」
「…そんな大金…俺には返すあても…」
「お前は今のサッカービジネスの大きさを知らないのか？」
「ヒロトの言う通りだ。もし俺達が世界大会で優勝すれば、大会スポンサーから賞金が出る」
「それで手術代は余裕で返せるはずだ」
タツヤの言葉にヒロトがうなずく。
いくら賞金が出るのかわからなくても、ヒロトとタツヤの物言いからするに、相当な金額なのだろう。
「それに…俺達なら絶対に優勝できる…そう思わねぇか？」
ヒロトの言葉に心を打たれる一星。
仲間を信頼していなければ、自信をもって優勝できるとは口に出来ないだろう。
「私もそう思う。今までみんなの事見てきたマネージャーの私が保証するよ！」
「…A先輩が保証するほど不安な事はないのですが…」
胸を張って自信満々に言うAに困ったように物を言うエマ。
ショックを受けてがっくりと肩を落とすAの反応を見て「冗談ですよ」と微笑むと、頬を膨らませたAがエマの肩をポカポカと叩く。
Aとエマのやりとりにその場の空気が多少緩んだように思われた。
「その必要はあるのかな？そもそも一星くんは誰を助けようとしているのかな」
「誰をって…一星くんの弟でしょ？」
手を止めたAが野坂の発言に訝しげに眉を顰めて応えるが、野坂は何も言わない。
その場の雰囲気が一気に凍りついたようにAには思えたのだった。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
