第肆拾捌話[行田尚希:油断した…。] ページ49
「やれやれ……みゆき君にも困ったものだね……。
君も大変だろう?尚希君?」
「いえいえ、もう慣れましたし。
それに、元いた環境よりもずっと居心地は良いですよ。」
溜息を吐き乍僕に携帯を返してくる鴎外さん。
それに対して笑顔を返す僕。
「前にいたところ?其れは気になるねぇ…。
どんな処だい?」
僕の云った言葉は鴎外さんの好奇心を刺激してしまったらしい。
大袈裟とかでは無く、本心だったのだが、口は災いの元とは良く云ったものだ。
故郷を思い出して吐き気がした。
「そうですね…。胸糞悪い1人の操り人形の為の滑稽な舞台、みたいな場所ですかね?」
「尚希君もそんな言葉遣いをするのかい?」
「意外ですか?」
「意外だねぇ。」
「其れは其れで心外です。
其れじゃあ、僕はこの辺で。」
鴎外さんに会釈して帰ろうとすると、黒服さん達が銃を手に僕を囲む。
「そう簡単に逃す訳が無いだろう?
私は君をもう随分前から
そろそろ良い返事を聞かせてくれないかい?」
「もー…またですかぁ…?
何度目になるのか分からなくなって来ましたよ…。
いつも通り、答えは変わりませんって。
ノー、とだけお答えします。」
僕の答えに納得しないように、何人かが銃を構え直す。
その内の一人を、僕は殴り飛ばした。
その人は、物凄い勢いで壁に激突し、減り込む。
当然、壁はへこんだ。
「あー…あかんやね、街暮らしは。
体が鈍ってしょうがへん。」
「君はもっと平和主義だと思っていたのだがね?」
「平和主義や。
わてん身が危険に晒されへん限りは。」
猪を殴り殺す事かてわしには造作もあらへん。
そない云う風に育てられたさかい。
其れに、元は人殺しや。
なんとも思いまへん。
そう云って嗤った直後、身体が重くなる。
「あー…あんたもおいやしたんかよ……。
中原はん。」
身動きが出来ず、片膝をついて座る。
「ったく、大したモンだぜ。
普通なら床にへばり付いてるってのによ。」
「さいぜんかな人殴り飛ばどした時にやて触られたんかね?
気付かいなかったや。」
「悪いねぇ、尚希君。
エリスちゃんが君と遊びたいみたいだから。」
そのあと、チクリと首筋に痛みが走って、意識が途切れた。
第肆拾玖話[行田尚希:巻き込まれたんですけど]→←第肆拾漆話❲宮部みゆき:金では動かないのでね❳
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紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/momizi201282/ ……託します。前回とパスワードは変わっていません。PS.鋼夜さん、下手くそながらつなげておきました。 (2016年11月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - 紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中さん» どうぞどうぞ!!!むしろお願いします!!! (2016年11月4日 19時) (レス) id: 3a97038ed1 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ(プロフ) - 今まで姿消していてすみません…。またちょこちょこ書いていきます…! (2016年11月4日 18時) (レス) id: 36c09305b3 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中(プロフ) - 鋼夜さん» あ、繋げていいですか? (2016年11月4日 18時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - 紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中さん» 了解です!ありがとうございます!!! (2016年11月4日 7時) (レス) id: 3a97038ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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