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「……リリイは私の先祖にあたる女性と契約をしたんだ。リリイがこの家に望むのはひとつ。『自分と自分の下位(サブクラス)を匿うこと』。かわりに自分がこの家を守る……と」


御門さんはゆっくりと語ります。この家の、秘密を。


「……嫉妬の吸血鬼は何十年か前にリリイがこの家へつれてきた。ただ……嫉妬は誰との契約も望まなかったんだ。長い間その吸血鬼は地下の部屋で一人おとなしくしていた」


しかし、ジェジェは今御国さんと契約しているはずです。


「……御国さんと何があったのか。教えていただけますか? ずっと、御園に隠していたことを」





「──隠したいのは御国の事件そのものじゃない……その“原因”となったひとつの事実のほうだ……


御園は





私と妻の子じゃない」


その言葉が示すのは、ただひとつの現実。


「昔……この家で働いてた女性との……浮気相手との子供なんだ……。この家はもう、“色欲”と“嫉妬”でボロボロだ……。

「御園の本当の母親は“嫉妬”によって、私の妻が殺してしまった」


嫉妬の吸血鬼と、感情によるもの。……色恋沙汰には血生臭さがつきものですねえ。

そして、悲劇が起きた。

僕は黙って聞きます。生きた時代的に、力あるものが二人の女性を同時に愛することへの嫌悪がないこともありますが──何より、僕にはその手の愛がてんでわからないから。


「『僕さえ生まれてこなかったら』。真実を知れば御園は、必ずそう感じてしまうとか思った。だから隠すことにした……大人になるまで」


うつむいて話す御門さん。神へ懺悔をしているようでした。ここにいるのは末端の神と吸血鬼ですけどね。


「吸血鬼さえいなければ、こんな惨劇は起こらなかったんじゃないか? 力さえなければ」

〃→←〃


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和菓子(プロフ) - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2020年6月4日 8時) (レス) id: 2236ede8ed (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます!!過去編を追加したのち、続編に行こうと思っておりますので、もうしばらくお待ちいただければ…(^-^; (2019年3月8日 20時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 面白かったです。更新楽しみにしてます。頑張ってください。 (2019年3月8日 9時) (レス) id: 4b5b414424 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - ナナシさん» 遅くなってすみません、嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年2月4日 16時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - 更新楽しみにしてます、頑張ってください!!! (2019年2月3日 18時) (レス) id: a2191ef094 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2018年5月8日 18時

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