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まあ俺が気にしても仕方ない。結婚するのは伊黒様である。伊黒様は浪費家ではないのでそれなりに貯金はあろう。


「あそこのうどん食べたいです」
「良いだろう、連れていってやる」
「その言い方だと奢りみたいですね」
「は? 当たり前だろう。代金は俺持ちだ」
「いやちょっと待ってください!? 冗談です、自分で払いますよ」
「遠慮するな。全快祝いだ」


そう言われたら黙るしかない。もしかすると伊黒様、気遣いを含めて今日俺を誘ったのだろうか。

人格者〜!!! やはり伊黒様はすごい方である。素晴らしい方である。俺より年下とか信じられない。

きつねうどんを頼んだ。





夜。任務の時間帯。伊黒様から全快祝いをいただいたので体が軽い気がする。俺は鎹烏に指定された場所にたどり着いた。鬼が住む屋敷だそうだ。

二、三匹の鬼が餌を争っている可能性が高いらしく、別の隊員との共同任務である。


「よ、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします」


髪がサラサラしている青年。洗髪料に何を使っているんだろう……。少し緊張した様子だ。


「加賀見様ですよね。蛇柱様の継子の……?」
「え? 全く違いますけど……?」


なんだその誤解。継子になるには実力も才能もないのだが。そもそも年上だし。



「え……!?」
「えぇ……? あ、そういえば貴方のお名前は?」
「む、村田です!」
「村田さんですね。それでは行きましょうか」
「た、躊躇わないなこの方……」


屋敷の扉を遠慮なしに開ける。ここからでも分かるほど血の匂いがした。顔をしかめる。


「情報によるとそこそこ強い鬼が一、雑魚が二だそうです。村田さんは捕らわれている可能性が高い人間を探してくださいますか。死んでいるとしても死体をこれ以上損傷させないようにお願いします。でも自分の命を優先してください」
「はい!」
「重い足音がしたので俺は二階を見ます。何かあれば叫ぶか烏に」


伊黒様以外との共同任務、半端なく久々だな。指示される側なので指示することに慣れない。こんな感じでいいのか……? まあいいか……。

〃→←十月某日



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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