〃 ページ36
「……そうか？ 無理すんなよ。何か言いたいことがあれば、すぐに俺っちに言ってくれ」
「貴方もですよ、薬研」
「……あとで、長谷部や不動も呼んで、一緒に話を聞いてくれや」
「はい」
薬研が淹れてくれたお茶は、温かく、身にゆっくり染みていく。
「……美味しいです」
「そりゃあよかった。……おい、宗三。もしかしてその紐……小夜のか？」
「……はい、そうですよ」
宗三の細い手首に巻かれた赤い紐。結び目をほどき、薬研に見せる。薬研は無言でそれに手を伸ばし、パシッとつかんだ。彼は兄弟が多い、色々と思うところがあるのだろう。
「……江雪兄様の数珠も懐にあるんです」
「そうか。……じゃあ、あいつにだけは見つからないようにな。たぶん、跡形もなく壊される。きっと──」
「笑いながら、ですね」
嗤うではなく、笑う。心底楽しそうに、無邪気な子供のように笑う憎き存在を思い浮かべ、宗三は薬研の言葉を繋げた。
「……なあ、宗三。もし俺っち達にも人間のように、来世があるのなら──」
そこで、目が覚めた。
「ここは公式を使って──」
(ああ、そうか)
あれは夢か。懐かしく、同時に忌々しい昔の記憶。あの時、薬研はなんと言っていたのだっけ。どうしても思い出せない。
授業の終了を告げる鐘が鳴り、今日の授業が終わる。終礼のあと、龍征と虎雪は用事があるらしいので真昼は一人で帰ることにした。
外は、白かった。これこそ夢のように感じてしまう。寒さを少しでも防ごうと、マフラーを鼻の上まで持ち上げた。
吐息までもが、白い。
「もし死んだら……もう一度」
彼らに会えるのでしょうか、なんて声にならない声で紡がれたその願いは、その思いは。
吐息と共に、寒空へ溶けていった。
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革ベルト
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ミナ(プロフ) - 紅葉蓮＊文才ほしいさん» 長々とありがとうございました、 (2017年12月28日 17時) (
レス) id: 2587896c62 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ミナさん» 体躯→宗三左文字ベース。城田真昼よりは身長が高く、宗三左文字よりは低い。細身で刻印のようなアザがある という感じの設定になっています。 (2017年12月28日 16時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ミナさん» そうですね、現段階では目→宗三左文字ベース。同じ色、雰囲気 顔立ち→宗三左文字ベース。いくらか年相応に幼くになっている 髪→城田真昼ベース。城田真昼に比べ前髪は長め (2017年12月28日 16時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - 紅葉蓮＊文才ほしいさん» 返答ありがとうございます、よろしければベースはどちらだとか、ここはこっちの要素だとか、髪型はどうとかそういった設定を出していただけると嬉しいです。ご検討おねがいします (2017年12月28日 15時) (レス) id: 2587896c62 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ミナさん» 両方混ざってます。 (2017年12月28日 15時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉蓮 | 作成日時：2017年8月24日 20時
