天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。【オリオンの刻印】 (ページ45)

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44、初恋の人ページ45

道成『それと、そっちでは上手くやれてるかと思ってさ』

貴女「…！」

道成『あ、いやっ、Aなら心配無いとは思ってるぞ？…ただ、今までとは状況とかだいぶ違うだろうし、辛いこととか…あったりしないかと思ってな…』

貴女「……」

辛いこと…か。

不安なこと、わからないことなら…いっぱいある。

そういう意味では、辛いかもな…。

…でも。

貴女「…いえっ、大丈夫ですよ！西村さんはいつでも元気有り余ってますので！」

Aは大丈夫ということをアピールした。

心配かけて、巻き込みたくないから。

…それに、道成先輩とこうやって話せている。
それだけでもかなり癒されてますから！

道成『そうか、良かった。…何かあったらいつでも言っていいんだからな。俺じゃ頼り無いなら、他の奴らだっているし』

貴女「…頼り無いなんてこと、ありませんよ」

変わらない道成の優しさが、今のAの胸に大きく染みていた。

貴女「ありがとうございます。」

Aはありったけの感謝の気持ちを込めて伝えた。

道成もそれは分かってくれたようで、電話越しに優しく微笑んだのがわかった。

だが、Aの今の一言に反応した人物は他にもいた。

すぐそばにいた一星である。

その一言に、というよりはAの嬉しそうな声に対して反応したのかもしれない。

一星は冷たく恐ろしい目をAに向けていた。

Aはそんな一星の視線に気づく様子はない。

道成『ごめんな。突然連絡したりして』

貴女「いえ、嬉しかったですよ！」

道成『またたまに連絡してもいいか？他の皆もAと話したがってるし』

貴女「もちろんです！…もしかしたら出られないこともあるかもしれませんけど…いつでもかけてくれたら嬉しいです」

辛辣な奴らの毒舌から私を癒してください！

…あ、でも奥入辺りは要注意か！あいつ～油断してるとすぐに毒吐いて私のガラスのハートをバッキバキにして来ようとするからな！

道成『Aもいつでもかけて来い。それじゃ、おやすみ』

貴女「はい！失礼します！」

私を心配してかけてくれたんだな。

…先輩、ありがとう。

おかげで、安心できた気がします。

…先輩はいつでも私の先輩って感じ。

これが、私の初恋の人。

今でこそ恋愛感情は無いものの、

Aにとって道成は今でも大切で、安心できる存在。

道成はそういう人なのだ。