天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。【オリオンの刻印】 (ページ34)

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33、意地の張り合いページ34

灰崎「見せてやる、俺の新必殺技！」

灰崎はヒロトを無視してシュート体制に入った。

灰崎「ペンギン・ザ…」

するとそこへヒロトが割り込んできた。こちらも自分の必殺技を狙っている。

吉良「ゴッド！」

灰崎「デビル！」

二人は同時にシュートした。

神と悪魔。2種類のペンギンが現れ、ボールと共にゴールへ向かっていく。

韓国のGKは身動き一つ取ることができず、そのままボールはゴールした。

3-2で、試合終了のホイッスルが鳴った。

偶然生まれた「ペンギン・ザ・ゴッド&デビル」によって、アジア予選第1試合は無事日本が勝利した。

貴女「な…何今の⁉」

趙金雲「ほーっほっほ。意地の張り合いもパワーの源です」

Aたちは開いた口が塞がらなかったが、趙金雲だけは楽しそうに笑っていた。

明日人「やったな、灰崎、ヒロト！」

明日人が喜ぶも、当の灰崎とヒロトはお互いをひと睨みすると別々の方向へ歩いていってしまった。

貴女「今くらい喜べばいいのに」

何にせよあの二人が起こしたミラクルだ。Aはそんな二人に対して心の中で拍手を送っていた。

そしてちらりとペクの方を見ると、ペクは負けたことへの屈辱に腹を立てていたようだった。ぎりっと歯をくいしばっているのが、離れていても分かった。

仲間を潰すなんてことをした何を考えているかわからない彼から、なかなか目を話すことができなかった。

そしてフィールドを去ろうとした彼が、日本のベンチへ目をやった。

その時ペクは自分ではない誰かを睨んでいた。

睨み合いはしばらく続いているようだった。

誰を睨んでいるのかペクの視線の先を見るが、誰を見ていたのかはよくわからなかった。

気づいた時にはペクはすでにこの場を去っていた。