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「……一番隊の、シャオロン隊長に気に入られてる女……」
廊下を歩いていると自分の話題が聞こえてきて思わず立ち止まった。
ちょうどAの位置は柱に隠れて見えないらしく、数人で集まって廊下の隅でこそこそしているのがここから覗き見える。
あの見かけない顔ぶれは二番隊の隊員たちのようだ。
『(ここで迂闊に出ると、トラブルに巻き込まれそうね……)』
このまま通り過ぎると見つかってしまうので、相手が立ち去るまで隠れていようと柱に身を隠す。
「あいつ、シャオロン隊長に特別扱いされていい気になってるよな」
「強くもないくせに、取り入るのがうまい女だよ、ホントに」
「一番隊隊長にも色目使ってるんじゃないか？」
「いや副隊長にも可能性あるぞ」
そう思われているのか、と眉をひそめる。二番隊には嫌なことを言う人がいるものだ。
とぼんやり考えながら聞いていると、ヒッと悲鳴が聞こえたあとバタバタと足音が遠くなっていく。
その時、ぐいと腕を引かれた。
そこにいたのは険しい顔をしたシャオロンだった。
見れば二番隊の隊員たちがいなくなっているので、シャオロンの姿を見るなり逃げ出したのだろう。
……まあ、この鬼の形相ならしかたない。Aもブルッと震える。
『シ、シャオロンさん？』
シャオロンは無言で腕を引き、廊下と繋がる中庭に連れて行った。
立ち止まったあと手を離しAと向き直る。
sya「……大丈夫か？」
『なにがですか？』
なぜこんなに鬼神を宿しているのだろうとビクビクしていると、シャオロンが申し訳無さそうに言った。
sya「……うちの隊員が悪く言ってて、傷ついたやろ」
『別に……？』
Aは首を傾げる。
本当にAはほとんど傷ついてなどいなかった。『あ、そう思われてるんだ』と思った程度である。
事実と異なる部分も『そう思う人もいるんだなぁ』とうっすら思っただけだ。
鋼メンタルとまではいかないのでほんのちょっぴり噂をしていた輩が嫌いにはなったが、Aは他の人より少し打たれ強かった。
sya「ほ……ほんまに？」
『はい』
sya「よかった……」
シャオロンは脱力して芝生の上に座り込んだ。もしかして、と思いAはその前にしゃがみ込む。
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詩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2022年9月18日 8時) (
レス) @page24 id: 44cf22d412 (このIDを非表示/違反報告)
インク - 面白かったです！完結おめでとうございます！ (2022年9月17日 19時) (レス) @page24 id: a2f12395c4 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - めっちゃ好きです…。これからも更新頑張ってください！ (2022年9月4日 19時) (レス) @page10 id: 44cf22d412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：REO | 作成日時：2022年9月4日 18時
