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sya「あーっはっはっはっは!」
シャオロンは満面の笑顔だった。
『……へ?』
意外な反応にAはあっけにとられる。
sya「あーおもろいわ。誕生日でもないのに……こんな雰囲気のぶち壊されかたあるか!」
『(面白い……面白かったの?告白のタイミングを逃したのに?)』
とにかく、シャオロンが怒りださなくてよかった。
その後、シャオロンが店員に間違いであることを指摘すると、スタッフは真っ青になってペコペコ謝った。
彼はそれも笑いながら受け入れた。
一ミリも気分を害した様子はなく、怒ったりしないシャオロンはただの好青年に見える。
『(なんか……びっくり。これも素の顔のシャオロンさん……なのかな)』
思えば、こうやって何気ない日常を過ごすことで別の顔が初めて見えた気がする。
結局その日は告白されることなく、そのまま帰路についた。
あまり部屋に物を置かない主義だが、せっかくシャオロンが取ってくれたので景品を部屋に飾ることにした。
Aは射的でシャオロンから貰った景品を一つ一つ部屋に並べながら、最初にシャオロンが一発で手に入れたぬいぐるみを手に取る。
悪魔の翼がちょこんと付いている可愛らしいテディベアだ。
これはシャオロンの趣味ではなく、Aが取ってほしいと頼んでシャオロンが取ってくれたものだ。
『可愛い……』
Aはぬいぐるみを抱いたままごろんとソファーに横になった。
もしもシャオロンに告白されたら、ちゃんと断れるだろうか?
今までシャオロンのことを未知の存在だと思っていたが、彼は人間味のあるひとりの男性だ。
それを認識した一日だった。
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詩音(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2022年9月18日 8時) (レス) @page24 id: 44cf22d412 (このIDを非表示/違反報告)
インク - 面白かったです!完結おめでとうございます! (2022年9月17日 19時) (レス) @page24 id: a2f12395c4 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - めっちゃ好きです…。これからも更新頑張ってください! (2022年9月4日 19時) (レス) @page10 id: 44cf22d412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:REO | 作成日時:2022年9月4日 18時