第20話 ページ21
.
「ちょっと待て。お前ら勘違いして」
「近付かないでっ！」
えぇ……そんなこと……
女の子達は束になって私を睨む。
「私女なんだけど？」
一旦冷静になって、いつもより女子っぽい感じに、けれど自然体な口調で話す。
「え、…う、嘘っ！！」
「ほんとほんと」
まだ信じられないのか、私の下半身をチラチラ見ては顔を見て不審がる。
「…付いてないからね？」
今から入るから見れば分かるけど。とそこまで言うと女の子達はあたふたしだし、渋々信じてくれたみたいだった。
じゃあ見せびらかさなくていい…のかな？
「あの、さっきは最低な事たくさん言っちゃってごめんね？」
場がやっと落ち着いたので着替えに戻り、ロッカーの中に視線を向けると、隣に人影が。
「あぁ、全然、気にしてない。よくあるし」
いやほんと勘弁してよね。まぁだからといって換えるつもりもないけど。そもそも支給すんの忘れてるだろ彼奴ら。
「名前、聞いてもいいかな？」
「……」
「…別に私達に言いたくなか」
「シン・A」
「！っ、よろしく！Aさん！」
二人で話していると他の子も続々と私に自己紹介してくる。そんな覚えられんて…
・
・
・
「Aさんもそうだと思うけど、急にこんな男の人がたくさんいる場所に連れてこられて、すっごく怖くって、だからさっきも、本当は女の子なのに男の人と同じバッジ付けてたから言い過ぎちゃったんだと思う」
シャワーをし終わって、何故か一緒に着替えて何故か一緒に食堂に向かい、何故か一緒にご飯を食べてる。何故こんな事に…
さっきから気にしてないって言ってるのに…
心読まれてる？
「私は親が厳しくって…国のために貢献してきなさい、国のために死ねるなら本望でしょ？って言うから…」
「うちもだいたいそんな感じ。弟の教育費がないから私を出させて金取ろうとしてんだよ」
そんな制度だったっけ？
「あ〜17歳以上の男性がいない家は年齢条件を満たす女性を出せば10万円貰えるんでしょ？」
いや聞いたことない聞いたことない。
もしかしてうちには兄がいたからなのか？
「ほんと、私にお兄ちゃんがいればなぁ〜私じゃなかったのに…」
話が盛り上がっている中私はふと考えた。
兄がもし出ていたならば今と同じ条件で兵士になっていたけど、女の私が出ても今この子達が言った報酬は発生しない。元々兄が居たから。
でも今は死んでしまった。という事にしてある。
なら私お金貰ってもよくない？
これって普通にうち損では？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 302人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜零 - 世界観と我々メンバーがいい感じにマッチしててめっちゃ最高です！応援してます (3月28日 23時) (
レス) @page28 id: e0ad5fd9d5 (このIDを非表示/違反報告)
とぷす - もう世界観に引き込まれて過ぎて本当に最高です！頑張ってください！ (8月10日 19時) (レス) @page48 id: df858a5809 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 世界観すげぇ好きです！応援してます。 (6月3日 23時) (レス) @page11 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - 第一章完結おめでとうございます！戦闘シーンはいいぞぉ！第二章がめっちゃ楽しみです！ (6月3日 18時) (レス) @page48 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
シロクマ苺スムージー(プロフ) - 烏丸さん» 最高…！ありがとうございますっ！！更新頑張りますっ！ (2023年5月2日 20時) (レス) id: 720823a63a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シロクマ苺スムージー | 作成日時：2023年1月4日 19時
