木曜日は、いつも雨。(ytxin) 曜日シリーズ(１)

＝しずく・６＝ ページ6

「伊野尾ちゃんっ。
　もうちょっとこっち来ないと
　肩、濡れちゃうよ。ほら＿＿＿。」

そう言って中島が

おれの肩を抱いて引き寄せた＿＿＿。



「ひゃっ。」




急な事に驚いて・・

俯いて下を向き黙り込む・・



少し・・肩が震えてしまう・・・。




今でも、急に触られると

驚いてしまって・・震えてしまうの。





中島がおれの顔を覗きこんで

少し困ったような笑顔で

「あ・・ごめん。
　伊野尾ちゃん、嫌だった？」







ぴちょん。ぴちょん＿＿＿＿＿＿＿。






＿＿＿いやじゃ・・ないよぅ。＿＿＿＿






おれは、ぶんぶんと首を振って

「ち、ちがう。いやだなんて、ちがうよ。
　えっと、ちょっとビックリしちゃって
　・・ごめんね。」

そう言って伏し目がちに

中島に顔を向けた。




中島は、小さく笑いながら

「ふふっ。伊野尾ちゃんってさ、
　リアクションがすごい乙女だよね？」



「え・・？お・と・め？」


「うん。なんか・・
　ウブな女の子みたいで可愛いね。」




＿＿＿うぶ・・女の子・・かわいい・・＿＿＿＿＿




ぴちょん＿＿＿。




耳がカーッと赤くなっていくのがわかるの・・





おれは中島を伏し目がちに見ながら

「ちょっと。
　大人をからかわないでよっ。もぅ。」



「ふふっ。そーゆーの。
　そーゆートコだよ、伊野尾ちゃん。
　“もぅ。”とか、超可愛いなぁ。」


「ちょっと、やめてってばっ。むぅ〜。」


「ははっ。“むぅ〜。”だって。」



「もぉ、中島のばかぁ。」

そう言いながら俯いた・・





ドキドキして恥ずかしくって

俯いた。

からかわれるのが・・うれしいなんて・・

顔が赤くって熱くって・・こまっちゃう。

心に雫がたまっていく・・。




ぴちょん。ぴちょん＿＿＿＿。


止められない・の・・。






押し黙ってしまった、おれの顔を

また、こまった笑顔で

中島が覗きこんだ。

「ごめん。伊野尾ちゃん・・怒ってる？」

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