=しずく・15= ページ15
「んんっ___。」
強引に塞がれた唇から
こじ開ける様にして中島の舌が
入り込んでくる______。
「んっ・・んぅ・・っっ・・」
こわ・い・・。
こ・わい・・の。怖い。
ざぁざぁ。ざぁざぁ。ざぁざぁ_____。
追い詰められた壁の横の窓から
雨の音が、ザァザァと聞こえてくる。
耳の奥で、あの時の雨音が聞こえるの。
ざぁざぁ。ざぁざぁ。
耳鳴りの様に張り付いて
その音を聞いて
おれは体を固くし震え動けなくなる。
あの・・あの時の・・記憶
歪んだ傘と、歪んだ男の気持ちと、
歪んだ雷の音と_______。
震える腕を伸ばし抵抗し
中島の胸元をグッと押して
首を横に向け、唇を離し
苦しい息と一緒に言葉を吐き出した。
「やっ・・やだ...いやぁ____。」
おれは、しくしくと泣いて
壁づたいにヘタリとしゃがみ込み
体をカタカタと震わせる。
中島は、壁をもう一度ドンっと殴り
奥歯を噛みしめた様に言葉を
吐き捨てた。
「そんなに・・イヤかよ__俺の事。」
おれはパッと顔を上げた。
中島は冷たい視線でおれを見据え
言葉を続けた。
「俺に触れられるのも嫌なぐらい・・。
傘に入れるのも嫌なぐらい・・
雨が苦手で______。
なぁ、伊野尾ちゃん。」
「な・かじま・・?」
「そんなに__。
そんなに俺が嫌いかよ____っっ。」
しゃがみ込んで、しくしくと泣いていた
おれは・・呆然とする____。
なんで?・・どうし・て・・。
どうして・そう思うの?
ち・がう・・ちがうのに___。
おれの想いは、
想いの雫は・・溢れて
こんなにも溢れているのに________。
おれはペタリと座って首を横に振り
「ちが・う。
なかじ・ま・・ちがう・よ。」
中島がおれの前に立膝をついて
肩に手を置いた。
それにもおれは、ビクッと肩を揺らしてしまう。
中島はまた苛立って
ビクッと揺れた肩を強く掴んで
「違うって、何が違うんだよっ。
今も・・この前も・・ずっと___。
ずっとビクビクして_____。
俺がそんなに怖いのかよ。」
「なかじ・ま・・ちが..ぅ」
否定したいのに
中島に言葉を遮られ責められる。
「伊野尾ちゃんさ、木曜日・・
雨降った日は必ず元気なくて___。
俺の事、傘入れんの嫌だったんだろ?
嫌々入れてたんだろ?なぁ____。」
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あひる☆(プロフ) - にのんさん» きゃぁ〜〜ん!!にのんちゃま!!来てくれてありがとぅ(●´ω`●)うっれしぃ〜♪ごちそうさまありがとうございますぅ〜〜♪♪ (2017年5月15日 10時) (レス) id: 706e89320c (このIDを非表示/違反報告)
にのん(プロフ) - 来ましたよーん♪生徒のゆーてぃーが可愛すぎてですね…。ごちそうさまでございますぅーー!! (2017年5月14日 17時) (レス) id: ee932bb254 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - キャティアさん» すご〜〜〜〜〜いっっ!!あひるまでテンションあっぷるになった!!すごいなぁ〜〜。本屋行かなくっちゃ!!うふふ。読んでくれてアリガトゥ♪ (2017年5月6日 14時) (レス) id: 3eb751290e (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - JUMP♪大好き!さん» なんと!!お話し書かれてるんですねぇ。はい!!読ませて頂きますねぃ(*^_^*) (2017年5月6日 14時) (レス) id: 3eb751290e (このIDを非表示/違反報告)
キャティア(プロフ) - やっほ〜!!読んだよ!続きが気になって仕方ない!!いきなりなんだけど自慢していい?(笑)私が送ったイラストが、今月の『POTATO』に載ってたんだけど!!(涙)ヤバいよ!どうしよう!!テンション上がりっぱなしなんだけど!! (2017年5月6日 0時) (レス) id: 3b338422a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あひる☆ | 作成日時:2017年5月5日 16時