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Side Taiga
ふぅ、と朝からため息をつく。
今日は早くに目が覚めて、なんだか少し眠いけど、
2度寝する時間ではなかったから。リビングがある1階に降りてきた。
眠いな、そう思ってうとうとしていると、
誰かに服を引っ張られる。
「…にい、にい。」
「…ん、どした慎太郎。」
やっと今年の4月に
小学生の仲間入りをした慎太郎に起こされた。
「…なんか、ジェシーが、」
「ジェシーが？まだ起きてないの？」
まだまだ話すことが得意ではない
彼の言葉を必死に読み取る。
どうやら、いつもは慎太郎を起こして一緒に起きてくるジェシーが起きていないらしい。
「待ってね。俺が見てくるから。」
「…なんか、おかおが真っ白だった。」
その言葉を聞いて、
少し、ちょっとばかり焦る。
ただ、その気持ちを慎太郎には知られないよう、
平然と振る舞う。
目がうるっとして、不安そうな
顔をしている慎太郎を抱き上げた。
「一緒に行こうか。」
安心してくれたのか、ふわっと笑って、
ギュッと、しがみついてくる。
そんな姿を見ても、まだ俺は、
慎太郎の兄をしっかりできているんだろうか、と不安に思う。
俺と慎太郎、そしてジェシー。
3人とも顔は全く似てない。性格だって、3種3様。
気づいているかもしれないが、
俺たちは兄弟ではない。
簡単に言えば、養子で引き取られた子供。
俺と慎太郎は同じ施設から、
ジェシーは違う施設から引き取られた。
俺と慎太郎は同じ時に、ジェシーは俺らより少しだけ早くこの家に。
うちの両親たちは子に恵まれなかったらしい。それで俺たち3人が息子になったんだ。
赤いドアの部屋に入り、
大きなベットに寝ているジェシーに声をかける。
「ジェシー、大丈夫？」
慎太郎が俺の体をトントン、とする。
降ろして、の合図だろうから、ジェシーの大きなベットの端に降ろした。
「…んっ、たい、が」
「貧血辛い？」
ジェシーは、ハーフだと
初めて家に来た時に教えてもらった。
その彼の真っ白な顔が
いつも以上に白く見える。
辛そうだ。
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作者名：Moku | 作成日時：2020年5月23日 8時
