約束の日 -4 ページ25
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これで亜嵐くんと玲於が険悪な感じになってしまったらどうしよう、と一瞬焦ったけど、こんなことでは2人にはなんの心配もなかったみたい。
特に亜嵐くんは大人の対応をしてくれているし、隼も(玲於から色々聞いたんだと思うけど)フォローを入れてくれたみたいだし。
2人が部屋を後にしてから手荷物を持ってきた玲於が目線だけでこちらを見やる。
「…やっぱ、亜嵐くんとがよかったの」
「玲於来る前にちゃんと断ったよ。今日は玲於が優先だし」
せっかく断る方に気持ちが固まっていたのに誤解されたままなのは嫌だったので、玲於にはきちんと言っておく。
なんだか言ってから気恥ずかしくなって目を逸らしてしまったけど、視界の端に玲於の目がキラキラしていたのが見えてしまった。
もう見なかったふりはできない。
こんな私なんかの言葉に一喜一憂する玲於に、なんだか申し訳ない気持ちすら感じる。
…言葉選び間違えたかな。
思った時にはもう遅くて、明らかに先ほどより機嫌が2割増しくらいで良くなった玲於に手を引かれる。
「いこ。俺店予約してあるから」
「…NAOTOさんレベルのお店じゃないとゆるさないからね」
「は、俺より稼いでから言ってもらえる?」
「ちょっと人気でてるからって!!!調子乗んないで!」
「え?イケてる??俺?」
「…言ってないんですけど…!」
…よかった、いつも通り軽口を叩けてる。
久しぶりに玲於とゆっくり話せる機会だし、緊張だけで終わっちゃうとか、損だよね。
美味しいご飯も食べさせてくれるみたいだし、楽しまないとな。
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作者名:も。 | 作成日時:2019年4月7日 22時