7:細やかな…… ページ8
『太宰さん、こんなに高いワンピース……お金、今からでも返した方が良いですよね……?』
「それに関しては大丈夫だよ、私からAちゃんへの細やかなプレゼントだから。」
細やかなプレゼントといっても、ワンピースの値段が高いだけあって高価なプレゼントと思ってしまうのは何故だろう……
「他、寄りたいところある?」
『いえ、特に何処にも……』
「なら、電車に乗って社員寮に帰ろっか。」
『はい……!』
お出掛けの最初の辺りより、太宰さんとな会話が明らかに弾んでいる気がする。
これも、太宰さんの魔法かな。
「間もなく〜」
『もう、私達が乗らないといけない電車がホームに着いてしまうみたいですよ!!』
「それは急がないとだね……うわぁ、階段キツい……」
そう、もうすぐ列車がホームに着くアナウンスが流れた頃は、私達二人はのんびりとホームに行くための階段で止まっていて、階段からホームに上がるのって思ったより結構キツいから、息が思うように出来なくなってしまう。
『あっ……』
電車が着いてしまうと焦っていると、神様の悪戯か私が履いていたパンプスの右側の靴がするっと抜けてしまった。
「大丈夫かい?」
私の後ろで必死に階段を駆け上がっていた太宰さんが、私のパンプスを大事そうに持ちながら、私の足にシンデレラのように履かせてくれた。
但し、ロマンチックなことと引き替えにか、私達が乗るべき筈の電車はホームに着いた頃はもう扉が閉まっていて、そのまま出発していた。
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もえ(プロフ) - 東湖さん» コメントありがとうございます!!私も書いていてとても切なくなりました(´;ω;`) (2019年12月11日 21時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
東湖(プロフ) - 切ない…… (2019年12月11日 21時) (レス) id: 8fa507a6ec (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - るるぽさん» コメントありがとうございます!確かに、夢主は太宰に少し期待を持っていたのかもしれませんね……(´;ω;`) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
るるぽ(プロフ) - すごく凄く切なかったです 主ちゃんは太宰さんが引き留めてくれると何処か期待を抱いていたのかもしれないと思うと 切なさがまた(泣)長々と失礼致しました (2019年9月16日 7時) (レス) id: 0ac352dc04 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - S.Hさん» 全然大丈夫です!寧ろ、長々とお話のことを書いてくれて凄く嬉しかったです(●´ω`●)謝らなくて大丈夫ですよ〜! (2019年8月5日 13時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年8月3日 23時