22:目的…… ページ23
“コンビニでビールを買いに行く”という口実をつけて、私は太宰さんが住む部屋に行った。
目的はたくさんある。
真夜中だけど、太宰さんは起きていると信じて、インターホンを押す。
「はーい」
私がインターホンを押して、秒も経たない内に太宰さんは出てきた。
突然の私の訪問に、太宰さんはビックリした様子だった。
「どうしたんだい?私の所に来るということは、何か伝えたいことがあったのかい?」
言いたいことがあるけど言えない。
私は暫く、その場でだんまりとした。
「もしかして彼氏……帰ってきたの?」
私が何も話さないからか、逆に太宰さんが私に質問をしてきて。
こんな質問されたら、私───
『はい……今日帰ってきました……』
「そうなんだ」
『なので……私達の”あの関係“は、終わりにしませんか?』
彼氏との空白のニ年分の埋め合わせを、彼氏以外の男の人とするという斬新なものは、いつしかそういう結末を迎えてしまう。
これは、覚悟をしていたことだ。
覚悟……していたから……
「そっかぁ……なんか、Aちゃんの左手の薬指が光っていると思ったよ。うん、了解。Aちゃんの彼氏にバレたら、私怒られるもんね!」
明るい声で言っている太宰さん。
でも、顔はとても悲しそうで。
一通り話し終えた後、私は少しの時間、太宰さんの部屋の前でうずくまった。
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もえ(プロフ) - 東湖さん» コメントありがとうございます!!私も書いていてとても切なくなりました(´;ω;`) (2019年12月11日 21時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
東湖(プロフ) - 切ない…… (2019年12月11日 21時) (レス) id: 8fa507a6ec (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - るるぽさん» コメントありがとうございます!確かに、夢主は太宰に少し期待を持っていたのかもしれませんね……(´;ω;`) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
るるぽ(プロフ) - すごく凄く切なかったです 主ちゃんは太宰さんが引き留めてくれると何処か期待を抱いていたのかもしれないと思うと 切なさがまた(泣)長々と失礼致しました (2019年9月16日 7時) (レス) id: 0ac352dc04 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - S.Hさん» 全然大丈夫です!寧ろ、長々とお話のことを書いてくれて凄く嬉しかったです(●´ω`●)謝らなくて大丈夫ですよ〜! (2019年8月5日 13時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年8月3日 23時