【ヤンキーパロ】BOY FRIEND 【中原中也】

BOY─25 ページ26

『お母さん……お姉ちゃん……なんでここに？』

｢”なんで“って……お母さん達、貴方を迎えに来たのよ。｣

『嫌……絶対に帰らない！！』

私は中也の後ろに隠れるようにし、お母さんとお姉ちゃんから逃げた。

｢ねぇA、なんで逃げるの？あのことはお母さんが悪かったわ……もうお母さん、貴方に口うるさく“東大に行け”何て言わないから。｣

『そんなの嘘よ！！お母さん、そう言っていつも嘘を吐くくせに！！』

未だに覚えている、小学生の時に起きた私の誕生日のことを。

その時、私の誕生日だったんだが、お母さんは仕事に行っていて、帰りが遅くなってしまった。

お母さんは、朝に”今日は早く帰ってくるから“と私に約束してくれた。

だが、夕方になっても夜になってもお母さんは一向に帰ってこない。

次の日学校と仕事があるお姉ちゃんとお父さんは、先に寝てしまい、私は一人で眠気と戦いながらお母さんの帰りを待った。

『お母さん、お帰りなさい！』

夜の11時頃、漸くお母さんが帰ってき、私は玄関までお母さんを迎えに行ったのだが、その時放たれた言葉は───

｢貴方、今日誕生日だからって何浮かれてこの時間まで起きているの。早く寝なさい｣


『私は、あの時のお母さんの言葉を覚えているわ……あれから何度も嘘を吐かれた。だから私はお母さんのことが嫌いなの！！』

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