【ヤンキーパロ】BOY FRIEND 【中原中也】

BOY─13 ページ14

私に新しい世界を見せてくれた貴方に今すぐ、会いたい……

『中也！！』

｢A、どうしたンだ？｣

『私、決めた……今日からもう家には帰らない。』

私の突然の決意表明に、中也は一瞬だけ驚いた顔をした。

だけど、直ぐにいつもの笑い顔に変わって、私に

｢ならA、俺の家に来い。それで俺と、誰にも縛られない生活を共に送ろうぜ。｣

『うんっ……！』

中也の偽りのない笑顔に、いつも私は安心させられる。

ひかれるかもしれないが、私にとっての宝物は、“中也の笑顔”だ──


｢おかえりー、花印のプリン買って来てくれた？｣

｢先刻、冷蔵庫に突っ込んだから、勝手に取って食べて。｣

｢はーい｣

此処連日、母親の機嫌が悪いことが多い。

多分、Aとの衝突が激しいのだろう。

これはどっちが悪いかと言われたら、”どっちも“としか言えない。

AはAで、今まで守ってきた家の約束を、何の風の吹き回しか破ってくるようになったし、髪の色を染めたりして何処か荒れている。

お母さんもお母さんで、Aの自由を奪っている。

うーん、これは家族以前の問題というか、二人の問題だ………

BOY─14→←BOY─12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す