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memory#71 ページ11
母と父が揃って、テーブルを挟んで私と向かい合わせの状態で付属の椅子に座った。
こうして二人が横に並んで座る光景を見たのは、何年振りだろう。
随分その光景を見なさすぎて、私は不思議と違和感を覚えた。
『それで………何？』
突然、私を椅子に座らせた母に問い掛けた。
｢実は私達、昨日お互いでよく話し合った結果、離婚しようと思うの。｣
母の言葉に、私は驚かなかった。
“あ、そうなんだ。”ぐらい。
｢離婚の手続きが終わったら、私は家から出ていく。Aは、お母さんと暮らすんだよ｣
まるで私を幼い子供に言って聞かせるような声でいう父。
この時の父の顔は、何だか寂しそうだった。
『分かった。お父さん、元気でね』
父に一言残してからリビングから出ると、私は殻が抜けた蝉のようにその場で静かに座り込んだ。
良いんだ、これで。
二人が離婚したら、あの煩い喧嘩も聞かなくて済む。
寂しくなんて、ない………
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名：もえ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u./hp/mokomokohi4/
作成日時：2019年2月15日 17時
