memory#9 ページ10
今日の私は、何だか“顔の表情がコロコロと変わっていて、面白い”と、春坂先生に言われてしまった。
これは春坂先生なりの褒め言葉として、受け取っておこう。
いつもの私は、表情がコロコロと変わらないのは本当だから。
今日のことを振り返ってみると、気付いたら例のあの家に着いた。
其処は、私の唯一の落ち着ける場所。
カランカランと、玄関の扉に付けられた鈴を鳴らし、「お邪魔します」と一言呟いてから、家に入った。
「あら、Aちゃん。久しぶりねぇ、元気にしてた?」
玄関先で私を迎えてくれた人は、私が幼い頃からお世話になっている、親戚の妙子叔母さん。御年53歳
妙子叔母さんは絵本作家で、私が絵を描きだしたのも彼女が切っ掛け。
『元気にしてたよ、妙子叔母さんも相変わらずでよかった。』
「また一段と若くなったと言って頂戴。」
妙子叔母さんの冗談を聞いた後、私は部屋の奥まで入り、妙子叔母さんの亡くなった旦那、力弥叔父さんの仏壇前まで来た。
『叔父さん、来たよ。』
力弥叔父さんは、五年前に会社に行く途中に通り魔に遭ってしまい、そのまま帰らぬ人となってしまった。
昔、二人の結婚式の時のアルバムを見せて貰ったんだけど、二人共とても幸せいっぱいな顔をしていて、見ている私が幸せな気持ちになった。
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時