memory#17 ページ18
彼のあの時の切ない歌声が、何回も………何回もループしている。
あれから、中也君があの時歌った曲の歌詞にあった“My princess”は誰に向けての言葉なのだろうか?
“若しかしたら、他の人かも……”なんてこと思うと、胸が少し痛い。
別に、私は恋愛とかそういうのに興味はない。
理由なんて元からないが、昔からそうなのだ。
小学生の頃………クラスの女子達が、一つの机で輪になって“◯◯君と今日目が合った”、“◯◯君と△△ちゃんが付き合っているんだって”などと話をしている光景は、私は好きではなかった。
だからか、私の中で恋愛というのは“別世界の話”だと勝手に思い込んでいる。
「この前、軽音楽部の1年生ボーカルの男の子が、初めて歌詞を書いた曲を、聴いたんだけどね………」
軽音楽部で、然も1年生のボーカルの男の子というのは、中也君しかいない。
私は、すれ違う素振りを見せながら、上級生らしき女子二人の会話に耳を立てて聞いた。
「あの歌詞の意味は、1年生のボーカルの男が幼い頃に出会った名前を知らない女の子に“また何処かで会いたい”と言うメッセージを込めて歌ってるらしいよ!」
64人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時