memory#10 ページ11
私が描いた絵を、妙子叔母さんに見せている間、私は家から持ってきた御茶菓子とお茶を用意した。
「Aちゃんの、また一段と上手になったわね………私も負けられないわ。」
私が持ってきたスケッチブックを見ながら、妙子叔母さんはそう呟いた。
先刻言った通り、妙子叔母さんは絵本作家。
いつか、私が描いた絵と妙子叔母さんの考えた文章で絵本を作るのが、今の私の小さな夢でもある。
『妙子叔母さん、お茶淹れてきたよ。あ!!それは……!!』
「なあに?見たらいけない作品だった??」
妙子叔母さんが、ニヤニヤしながら見ていたのは、私がスケッチブックに描いた“例のあの人”の絵。
その絵は描きかけで、最後に描いた日から手を全く付けていなくて。
「普段、風景画が多いAちゃんが、こんなに格好いい男の子の絵を描いてたから思わず見てしまったの。ごめんね?」
『別に大丈夫……妙子叔母さんが謝ることじゃないわ』
そう言って、妙子叔母さんを何とかフォローしたけど、あの絵を見られるなんて思ってもいなかった。
“こんなに格好いい男の子”か……
彼の顔をふと思い出してみると、確かにそうかもしれない……なんて。
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時