memory#6 ページ7
『失礼します、1年C組の佐倉Aです。春坂先生はおられますか』
「春坂先生はねぇ、今不在なんだよ。何か、急用事かな?」
職員室にいる、名前の知らない先生は頭をかきながら私に聞いた。
なんだ、春坂先生不在か………
『いえ、美術室の鍵を春坂先生がいつも持っておられるので、それをお借りしたくて………』
「なら、何分かしたらまた職員室に来なさい。若しかしたら、戻っておられるかもしれないから」
『はい、分かりました。失礼しました………』
鍵を持っている春坂先生がいないと、私は美術室に入ることが出来ない。
その間、暇だなぁ………
教室に戻るのを一度は考えてみたが、生憎吹奏楽部が教室を練習場所として借りているから入れない。
『どうしよっかな………』
「マジかよ、春坂先生いねェのかよ……」
ふと右を向くと、例のあの人。
吃驚した、こんな所で会ってしまうなんて。
「クソォ………出し忘れていた提出物が、渡せねェじゃねェかよ」
何やら独り言をブツブツと呟きながら、春坂先生が戻ってくるのを待っている様子。
話し掛けたいけど、話し掛けられない。
“昨日話せたのは、ほんの偶然に過ぎない。”
そう思っていたら…………
「あれ、手前昨日の……」
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時