【バンドパロ】from stray dogs

14:俺の居場所 ページ15

"只今"と言っても、"お帰り"という言葉は返ってこない。

それが、俺の家。

俺の家族は父母同様、音楽家でいつも家に居ない。

家に居ることなんて、年に数回。

"寂しい"という思いは昔はあったが、今は全くない。

多分、この環境に慣れすぎたせいだろうな。

この広すぎる家でたった１人、俺がいる。

生まれたときから、俺の居場所なンてなかったンだ。

そう思うと、たまに涙が零れる。

俺の居場所は、いつ見つかるのだろうか？

*

君の横顔は

いつも何処か寂しそうで

僕の心を癒やせない気がして

何処か切ないよ

｢A、送ってくれた歌詞、全部見たンだが………"君の横顔は"の所を、少し捻ることって出来ねェか？｣

『矢っ張り"君の横顔は"の所、駄目だった？御免、この方が後に続く歌詞と繋がると思って。』

｢あー、"君の横顔は"の所は、何か付け足した方が、雰囲気出ると思ってな。｣

『分かった、付け足してくる。』

今日のAは、何だか元気無さそうだったな………

顔が、落ち込んでいるように見えたのは、気のせいだろうか。

｢芥川、今日A何があったのか知っているか？｣

念の為、近くにいた芥川に聞いた。

｢何か、お気に入りのバンドの新曲が切なすぎて心が泣いたみたいですよ。｣

それでか…………ややこしい奴。

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