此の世界で君を探し出す【中原中也】 (ページ17)

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観覧席から出た後も、二人は何時ものように喧嘩を始めた。

………正に此は、血の争いだと思う。

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中也の話を聞く為に一旦、二人の喧嘩を止めさせた。

A｢中也、何で此処に私と太宰さんがいるって分かったの？｣

中也｢勘だ。其れと………いや、何でもねェ｣

中也は何故か最後の言葉を曖昧にした。

御免、めっちゃ気になる。

太宰｢そう言えばAちゃん、先刻の私の告白の返事聞かせてくれるかい？｣

A｢あ、はい………｣

後ろにいる中也は｢告白！？｣という顔を為ている。

中也………迚も分かり易いよ。

そして私は、やっと告白の返事を言った。

A｢太宰さん、私………貴方のことずっと探していて、こうして再会できて嬉しいです。でも今の私は＿＿＿＿＿＿中也のことが好きなんです｣

ずっと探し求めていた王子様。

貴方のことも好きだけど、私の心は中也を選んだ。

太宰｢分かった｣

悲しそうな顔をする太宰さんを見てられなくて、私は黙って太宰さんに抱き付く。

A｢でも、忘れないで下さい。私は中也のことも好きだけど、貴方のことも好きだということを＿＿＿＿＿＿｣

太宰さんは、私の体をゆっくり離すと｢うん、有難う｣と言ってから、｢中也、君は如何なんだい？｣と聞いた。

中也の答えは＿＿＿＿＿＿｢俺もAのことが好きだ。馬鹿｣と言った。

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家に二人で帰ると、両親とじいが玄関前で待っていた。

じい｢Aお嬢様と中也様、お帰りなさいませ。奥様と旦那様からお二人にお話があるようです｣

じいは微笑みながら後ろにいた両親を前に出させた。

母親｢A、じいから全て聞いたけど…………貴方成長したのね。其れで………今日から何だけど……｣

お母さんは口籠もりながら話を続けた。

母親｢貴方は今日から、私達のサポート無しで行動して良いわよ。そして＿＿＿＿＿中原君と幸せになりなさい｣

お母さんの意外すぎる言葉に、私と中也は驚いた。

今日は、何て幸せな日だろう。

そう、思えた＿＿＿＿＿＿

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父親｢私、じいに紹介されたのに一言も喋れていない……｣

じい｢すいません、旦那様！｣