偽りの恋人がどうやらマフィアに居るらしい【中原中也】

16:罪深き者 ページ22

中也｢Aが二度と帰ってこないとはどういうことだ!?｣

中也の声が廊下に響き渡る。

小山｢そんなに怒らないで下さいよぉ、だって＿＿＿＿＿＿松尾さんは罪深き者だから｣

小山はニヤリと笑いながら中也に云った。

中也｢Aが、罪深き者………?｣

中也は小山の言葉に思わず首を傾げた。

小山｢そう、罪深き者＿＿＿＿＿＿なのに中原さんは私じゃなくて松尾さんを選んだ。私はあんなに思っているのに＿＿＿＿＿＿｣

中也は小山の言葉に何処か思い辺りが或る気がした。

中也｢真逆、俺が自宅に帰る時についてきていたのは＿＿＿＿＿＿｣

中也は小山から一、二歩下がり、声を震わせながら｢小山、手前か＿＿＿＿＿＿?｣と目の前に居る彼女に聞いた。

小山｢そうですよ?ふふっ、やあっと気付いてくれた。中原さんはあんな無愛想な彼女(松尾さん)じゃなくて、私を選べばいい＿＿＿＿＿＿｣

小山は不適な笑みを浮かべながら中也に近付いた＿＿＿＿＿＿

*

敦｢与謝野先生！居ますか？｣

与謝野｢あぁ敦。如何したンだい？｣

敦は青ざめた顔で｢帰り道に知らない女性が男に銃で＿＿＿＿＿＿｣と与謝野に訳を話した。

与謝野は｢そうかい、一寸彼女借りるね｣と云ってから敦からAを預かった。

17:救済者→←15:虎と細雪＊その2

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