【文スト】人間になりたい人形は愛を求め貴方に会いに行く【国木田独歩】

会いに行く8 ページ10

人間になって初めて走ると、直ぐに息が切れ歩き慣れたいのかよろけてしまう。

其れが"人形"から"人間"になった時に覚悟を為とかないといけないこと。

国木田｢おい！｣

後ろから国木田の声がした。国木田は、早足でAに卵を渡した

さっき、Aが卵売り場でその卵を買おうとしていたのを見たからだろう。

国木田｢金はいい。此だけ素直に受け取れ、ドジ娘｣

A｢はいっ!｣

ひらり

向日葵の花がまた一枚(ひとひら)散った。

Aが人間で居られるまで後、少し＿＿

A｢国木田さん、今から私と少し出掛けませんか？｣

他の人には何気ないこの言葉は、Aにとっては迚も重大な言葉だった。

A｢(向日葵が枯れるまでに、貴方に"好き"と云えますように＿＿)｣

Aは心の中でそう願った。

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