【童話パロ】美女と野獣【中原中也】完結 (ページ14)

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美女と野獣13 ページ14

ナオミに仕立てられた黄色いドレスを身に纏ったAは、まるで一輪の花の様でした。

そんなAの姿に中也は息を吞みました。

広津達の作戦はこうでした＿＿＿＿｢今夜、御主人様が彼女に愛の告白をして、お城の全体に掛かった呪いを解いて貰おう｣

Aと中也が近づき、ダンスタイムが始まると其れと同時に与謝野も歌い出しました。

さっきまで埃だらけだった広いダンスフロアは、以前の様な画期的な姿に戻りました。

お互いをしっかりと見つめ合いながら踊る二人の姿は迚もお似合いでした。

そして、ダンスの途中にAが中也の胸に抱き付くと中也の胸は急激に高鳴り、Aの暖かさを感じました。

歌が終わったと同時にダンスタイムも終わると、Aと中也はお城のバルコニーに腰を掛けていました。

中也｢A、お城の生活はどうだ？｣

A｢もう此処での生活は慣れたわ。でも……｣

Aは最後に何か言いかけると、顔を少し暗くさせました。

Aは中也に言いました。｢父に会いたい｣と

中也はAに一枚の魔法の鏡を差し出し｢
見たいものをこの鏡に言ってみろ｣と言いました。

Aは中也の言う通りにすると、なんと……鏡に映ったのは太宰に捕まってしまった基次郎の姿が鏡に映し出されました。

Aは、基次郎が捕まってしまった事に驚きを隠せないまま鏡を見つめていると、中也に｢手前は父さんの所に行け｣と言いながら魔法の鏡をAに渡しました。

城から出ても中也の事を忘れて欲しくなかったからでしょうか。

その後直ぐ、Aは急いで城を出て行きました。

その日の夜、中也は城から出て行くAの姿を黙って見送りました＿＿＿＿。