【学パロ】先輩、あのね。【太宰治】

Senior＊7 ページ7

｢はいこれ、忘れ物。｣

『すいません！わざわざ大切に届けて下さりありがとうございます！』

｢いえいえ。｣

太宰先輩から、私がさっき生徒会室に忘れていってしまっていたスマホを受け取った。

『それにしても先輩、よくこのスマホが私のだって分かりましたね。私あまり生徒会室でスマホを出さないのに……』

｢"何となく"かな？これ以上言ったら、引かれるかもしれないから言わないでおくよ。｣

『いやいや、太宰先輩の観察力には毎度頭が下がります！本当にありがとうございます！！明日、御礼に何か奢らさせてくださいっ。』

｢そんな、礼だなんて良いよ。｣

『でも流石にそれでは悪いです！』

中々引き下がらない私を見て、太宰先輩はクスクスと笑った後、｢そうだねぇ……｣と暫くその場で考え込んだ。

｢……そうだ。槻野ちゃん、今日私と一緒に帰ってくれるかい？それが君から私への御礼で良いよ。｣

『えっ！本当にそれで良いのですか？！』

予想より斜め上の回答に、私は思わず変な声が出てしまった。

これって、太宰先輩への｢御礼｣じゃなくて私への｢ご褒美｣ということになってしまうじゃないですか……！

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