出会い ページ4
「ねぇ、女ってさー嫌だと思わない? こっちで仲良くしたと思ったら、あっちで180度違う愚痴とか言ってんのよ〜。信用できないし、怖いわ……あたしはキミとおしゃべりしてるのがちょうどいいー!」
返答を返してくれない植物に語りかける。けど、かえってそれが楽で良い。変に返事が返ってきたって困るもん。誰とも喋りたくないし、ね。
*
「でも、ホント。なんであっちこっちで違うこと言えるんだろ。それが処世術なのはなんとなく分かるんだけど、いつか本人に愚痴言ってるのバレたりしないもんなのかなぁ。そういうの怖くないのかねー?」
「はーぁ。あたしだって、友達。できるなら欲しかったわよ? でも、でもねー。あれじゃあ諦めるしかないでしょ」
「あたしひとりぼっちなだけじゃなくて嫌われちゃったみたい。みんなの対応、明らかにおかしいもん。やっぱり1人だけ変わったことすると変に目立っちゃうよね。体調不良って正当な理由ですら欠席したら駄目なんだもんね……いくら単位が大事だからって、めまいに頭痛に腹痛に色々あるのに踏ん張れ!だなんて無茶苦茶よー……」
「あたしだって極力休まないようにある程度の具合悪さなら頑張ってたんだけどな……。どうしてこんなに嫌われちゃったんだろう。思い当たる節もないし、やっぱり目立っちゃったからだよね、きっと。特技のタイピング、学年一とか言って先生が騒ぎ立てたのも原因の一つなのかな。少しでも個性出すと爪弾きにされる……もう嫌だよ、こんな世界……」
次から次へと、植物に向かって思いの丈を紡いでいると、どこからともなく声がする。
フーン……女ってめんどくせぇのナ。
明らかにそう聞こえた。
「えっ、なに、誰! 盗み聞き!?」
咄嗟に驚いて、思っていたより大きな自分の声が響く。
さっき声をした方を見ると、猫背のリーゼントヤンキーの姿があった。
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作者名:頭ン中お花畑 | 作者ホームページ:https://x.com/mousouchuu_yume?s=21&t=z5mZsEWoDbXlEacgfXSP6A...
作成日時:2023年10月20日 0時