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服を脱げ…フクヲヌゲ？
今この女はなんと云った、服を、脱げとな？
その言葉の意味を理解した瞬間、敦と芥川は水をかけられた猫のように飛び退いた。
「やめろ貴様近づくな飢えたケダモノめ」
「人を変態みたいに云うな、その服じゃ目立って仕方ないから着替えろって云ってるの！！」
だからわざわざ男物の着物も用意したのだ。
まだ洋服が珍しい大正では目立って仕方ない。
「ほら、早く着替えろ」
「断る、この外套は太宰さんから貰い受けたも…」
「関係ない脱げ」
この女、どこまでも容赦がなかった。
芥川用の着物を片手に、ジリジリと距離をつめる。
敦はこの光景を「地獄だ…」と思いながら見つめていた。
すると、Aが突然グリン！と敦の方を向く。
「…今地獄だ、とか思わなかった？」
「ひぃ！！着替えます着替えます！！」
敦はプライドを捨て、Aに服を脱がされるくらいならと着替えた。
だが芥川は譲らない。
もう近くにあの黒服たちが来ているかもしれないのに。
苛立つAは深いため息をついたのち、
「『羅生門、異能発動を禁ずる』」
異能を封じ、問答無用で芥川に飛びかかった。
「やめろ！離せケダモノめ！！」
「じゃあ早く着替えろ！服ならなんでも操れるんだろう！？だったら良いだろ！！」
「やめろおい本当にやめろ太宰さんにチクるぞ！！」
「上等だやってみろ！！」
芥川を押し倒すような形で黒い外套を引っ剥がす。
お互い罵りながら時折蹴りや拳が飛んでくる。
あまりの光景に敦は泣きそうだった。
女であるAの方が力的に優っているのも怖い。
「あら、こちらでしょうか」
「…」
その時敦の耳は、大通りから近づく二人分の足音と声を拾った。
若い女性と、もう一人は無言だ。
それが近づいてくる。
「二人とも、ちょっと静かに…」
「いい加減にしろ！！」
バレるから静かにしろと云う前に、Aが空気を揺らすほどの声を張り上げる。
「いいから服を脱げ！！」
そして、不運なことにちょうどその時音の主達が到着した。
蝶の髪飾りが特徴的な綺麗な女性と、二つの柄の羽織の青年。
「…えっと、お邪魔しました」
「…なにも見ていない」
彼らは見たのだろう。
やたら気が強い女が男の服を引っ剥がす瞬間を。
まずいものを見たような顔で消えた目撃者に気づき、Aは静かに泣いていた。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
