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本殿をなるべく足音も立てずに歩いていく。
時折感じる気配は、人のものでは無い。
立原は唇が震えると共に、比較的平然としている先輩達に戦慄しながら進む。
霧がかかったような視界の中、遠くに鳥居を見つけた。
その向こうは見慣れたヨコハマの景色が広がっている。
あと少し、
「ねぇ、本当はそこにいるんでしょう？」
六人全員の背後から、同時に声がした。
流石に、誰もがその表情を痙攣らせる。
背後になにかいる、振り向いたら駄目だ。
「ねぇ…なんで無視するの、なんで？なんでなんでなんで」
ドクンドクンと心臓が音を立てる。
��子は得体の知れないなにかが、髪に触れるのを感じた。
薄気味悪い、腹立たしい、そんな感情が胸を支配した。
その時、Aがおもむろに地面に落ちている石の一つを手に取った。
「振り向かずに走れ、いいな」
声を出した、そしてその石を思い切り遠くに投げたのだ。
瞬間、感じていた気配は一斉に石が落ちた方向に向く。
そこからは一瞬だった。
「うっ…」
猟犬の脚力についていけるはずもなく、��子に抱えられたAは鳥居から出ると口を押さえて膝をついた。
��子は見た目が子供でもちゃんと猟犬だったようだ。
「かかか！助かったぞA！
それにしてもお前、何故あの時声を出して平気だったのじゃ！？」
「…あぁ、それは」
その瞬間、振り切ったはずのあの気配を感じる。
狙いは��子だ。
間に合わない、捕まる、そう思った時、Aの手が��子を抱きしめた。
「駄目、"これは駄目"」
ゾッとするような声で、Aは��子を欲しがる神に云う。
「貴方達が望むようなものじゃない」
それとも、私がお望み？魔女の娘の私を。
Aがそう云って口角を上げた。
舌打ちをするような音と共に、不気味な気配は消えていく。
「A、お前…」
「今後、気をつけるように」
��子から躊躇いなく手を離し、Aは立ち去る。
「私は、彼らにとってもっと恐ろしいものがついてるようだから平気なの」
��子は一瞬、Aの背中に白いワンピースを着た少女が見えた気がした。
その背中を��子はじっと見つめ、
「良いのう、あれは」
惚れ惚れとした顔で呟いた。
迷い犬と猟犬、奇妙な絆ができた瞬間である。
その後、Aは探偵社に来た��子に驚き、窓から逃亡することになる。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
