＊ ページ23
『あの子、欲しい、黒髪の男の子』
『小さい女の子、あの子がいいな』
『耳が良い子あの子がいいよ』
『茶髪のあの子、いいなぁ、欲しいなぁ』
『大きな男の人、あれがいいな』
クスクスクス、笑い声が何処からか聞こえる。
風が吹く音と、鈴のような音、そして笑い声。
「…これが、神というものの声か？」
��子が不機嫌そうな顔でAに問う。
聞こえてくる笑い声は童のような幼い声。
それでも、感じる気配は化け物のようなものだった。
「あれはまだ小さい方、遠くから見ているだけだから無害だ」
「ふん、薄気味悪いのう、生き物であるなら殴ってやったものを」
「…本当に薄気味悪いものは、あんな風に遠目から見るだけじゃ済まない」
「なんじゃと？」
云いたくないのか、Aは��子の鋭い視線から目を逸らす。
瞬間、��子の手が、道を進むAの服を掴んだ。
大男につかまれたような強さに、Aの体勢が崩れる。
「お主は神隠しについてよく知っておるのう。
ならば教えろ、此奴らよりも薄気味悪いものとは、なんじゃ？」
体を地面に押しつけられたAを睨む��子の姿は、まさに狩りを行う獣だった。
躊躇っていたAの赤い唇が、ゆっくり開かれる。
「…私は、そういうものが視えやすい体質だけど、祓ったりすることは出来ない。
だから、貴方達が本当に危険な目にあったら助けることが出来ないの」
神は強いものや美しいものを好む。
猟犬達とて、魅入られてしまうだろう。
「あちらが本気になれば、
"身体強化していようと異能を持っていようとただの人間である"私達は」
Aの手が��子の胸にトンと触れた。
丁度心臓がある位置だった。
「あっという間に引き摺り込まれる」
そう口にした少女は、紫色の瞳で��子をじっと見つめる。
「だから、私の云う通りにして」
その瞬間だった、Aが��子を勢いよく抱き寄せたのは。
条野達が「副長になんて恐ろしいことを」と戦慄した瞬間、
ザァ！！
��子が先程まで居た位置に、黒い手のようなものが迫ってきた。
しかしそれは一瞬で、次の瞬間には消えて無くなる。
「今のは…」
「…どうやら神様は貴女がお気に召したようだ」
そう云って��子を抱きしめるAは、��子にはひどく美しく見えた。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
