迷い犬と猟犬、神隠し騒動 ［ミックス様リクエスト］ ページ19
あぁ欲しい、欲しいの欲しい。
それ頂戴、それが欲しいの。
「駄目、"これは駄目"」
聞こえてくる声に、美しい少女は云った。
「貴方達が望むようなものじゃない」
赤い唇が、言葉を象って微笑んだ。
事の発端は、数ヶ月前。
「神隠しィ？」
軍警最強の猟犬部隊、その副隊長である大倉��子は立原道造の報告に心底呆れた顔をした。
折角隊長と一緒に居たというのに、とんだ邪魔が入ったものだ。
「なんじゃそのくだらん噂は」
「いや…なんでも、街でいきなり人が消えるらしくて」
「大方、失踪か誘拐じゃろうな」
「それがそうでも無いようです」
静かな声が響き、��子は声の主の方を向く。
「どういうことじゃ条野」
尋問の達人である猟犬、条野採菊はフッと微笑む。
「居なくなる者は皆異能者であるそうです」
「それはきな臭いな！」
隊長である福地がガハハと豪快に笑う。
たしかにきな臭い、異能者だけが居なくなるなんて。
しかも行方不明者は誰一人として帰ってくるどころか痕跡も残さず消える。
まさに神隠し、だが。
「それは、十中八九、異能者が、関わって、ぐぁ！！」
「室内で筋トレ禁止」
腕立てをしていた末広鐵腸の頭を条野が容赦なく踏んだ。
相変わらず彼は鐵腸が嫌いらしい。
「ふむ、あまり我らの目の届くところで好き勝手やられては困る。
どんなものか見に行ってみるか！」
「私は行きませんよ」
「条野！隊長の命令じゃぞ！逆らえば…判るな？」
ゴキゴキと手首を鳴らす��子に逆らえる者など居なかった。
…立原はこの時ほど、やめておけば良かったと思った日は無い。
これから体験する恐ろしいことも知らずに済んだのに。
チリン…
その夜、またヨコハマから一人の異能者が消えた。
「…はぁ、仕方ないな」
猟犬が動き出したと同時に、一人の少女も動く。
社員寮の机に広げられた資料。
依頼を受けた少女は、ポツリと呟いた。
「神隠し、ねぇ」
紫の瞳は何を見つめるのか。
少女、小泉Aはこれから起こる騒動を予想して、深くため息をつくのだった。
どうかしたのかと聞いてくる同居人がまた川に飛び込んだらしいので、
しっかり拳をお見舞いしながら。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
