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それは、Aが組織に入り半月のこと。
貼り付けたような笑みを浮かべたAが、Aと会って話したいと云ったのだ。
当然断った、この男はろくなことを考えていないと。
「だが、あの男はわっちの目を盗んであの子に会ってのう…」
「…それで」
紅葉が発見した時には、全てが遅かった。
廊下の奥でAと話すAを見つけた。
紅葉は怒鳴りながらAに近づいたが…彼を見てギョッとした。
「あれは…恋に落ちた瞬間の顔をしておった…」
驚いたように目を見開き、耳まで顔を赤くして、行き場の失った手が宙に浮いていた。
AはそんなAをさっさと置いて、紅葉の元へ来たと云う。
「それからじゃ…Aがあの子に近づこうとしておるのは…」
ある時は若干噛みながら口説こうとし、ある時はやたら高価な宝石を贈り、ある時は茶に誘おうとした。
「完全に惚れてるじゃねぇか…」
「しかもあの子は全くその気がない、普通に褒めただけだと」
「褒めた？」
「『貴方の魅力は宝石より、その野心なのでは？
虎視眈々と機会を狙うところ…私は素敵だと思います』と…」
今までその野心を危険だと見る者は居ても魅力だと云う者はいなかった。
故に、Aは完全に落ちてしまったのだろう。
「…それにまあ、会えば判るがあの子はなかなか人を惹きつける」
紅葉はそう云うと、ため息を吐いた。
二人が立ち止まった場所は、マフィアの地下稽古場だった。
ここにいると云うことだろうか、中也が扉を開けると、
ダァン！！
人が宙を舞い、床に叩きつけられていた。
それも一般人や捕虜ではない、屈強なマフィアの構成員が、だ。
「次」
凛とした少女の声がする。
声の主の方を見ると、そこには藤色の着物を着た娘がいる。
「彼奴…この前の」
彼女は向かってくる構成員の腕を掴み、そのまま投げ飛ばす。
そのようにして大勢投げられたのか、床には沢山の男がのびていた。
受け身も取れずに床に落ちる男達を彼女は冷たく見下ろしていた。
「紅葉様に取り合った、見た目だけの女に投げられた気分はどう？」
着物の袖で口元を隠し、彼女は侮蔑するように云った。
美しい見目に恥じない、気高さを十分に感じさせる気迫だった。
それだけで、中也は目を奪われたのだ。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
