＊ ページ24
死亡者は三人、鏡花と、太宰と、A。
「なんで、私が…」
こんなことをやるのは一人しかいない。
『アンタが、呪いをかけたんだな！！』
呪いによってAを殺した。
自分がAに襲撃されることを知っていたから。
「勝てると思った？」
太宰の笑みは勝者の微笑みだった。
「はぁい、では死亡者は別室へどうぞ」
雪の呼びかけで三人は別室へと向かう。
Aは悔しそうに、それでいて力が抜けたように顔を手で覆っていた。
勝者と敗者、太宰とAはまさにそれであった。
「…ふふっ」
だから誰も気づかない。
顔を覆うAの赤い唇が、不敵なまでに歪んでいることに。
いや、一人気づいた。
雪はその、あまりにも愉快そうな笑みに目を見開き、少しだけ驚いた。
「よーこそ死者の部屋へー」
別室では、退場した者達がゲームの様子を見ながらお菓子やお茶を片手に楽しんでいた。
「A、今回もまた派手にやったな」
「まあ…退場させられましたけどね」
Aは珈琲片手に乱歩の向かいに座った。
「…それで？」
「はい？」
「万策尽きた、なのになんでお前はそんなに冷静なんだ？」
残された仲間達はAのように推理できない。
なのにAは楽しそうにゲームの様子を眺めている。
太宰すらその様子に少し驚いていた。
「何故だと思います？」
彼女は唇に指を当て、「知ってますか？」と問いかける。
「女は裏切りに敏感なんですよ」
そして、最終決戦が始まる。
「それでは、処刑する者を選んでください」
会議を引っ張ってくれていたAはもういない。
梶井は恐らく狂人で確定だ。
となると、ナオミ、賢治、立原、谷崎の四人の中に人狼が居る。
だが、ナオミは鏡花によりシロだと確定されている。
そして霊能者は二人、谷崎と立原、恐らくこの二人だ。
「ナオミ信じて…ボクじゃないんだ！」
「いや待てよ！お前ニセモンだろ！」
この状況、立原の方が圧倒的に不利であった。
メンバーは探偵社が多い上、立原はAに疑いをかけられていた。
「俺じゃ…」
「私は兄様を信じますわ」
ナオミは天使のようににっこりと微笑んだ。
谷崎が「ナオミ…」と口にした瞬間、
「でも、人狼は兄様でしょう？」
女は、裏切りに敏感。
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もこすけ(プロフ) - あっきーさん» 嬉しいコメントありがとうございます。人狼ゲーム、書いていても楽しかったです。考えるのはなかなか大変でしたが、喜んでいただけて良かったです。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年11月26日 23時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー - 人狼シリーズ大好きです！本当に天才だと思います！！これからも楽しみにしています！ (2019年11月25日 17時) (レス) id: d54700ef05 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございました。本当ですね、たった今気づきました。ありがとうございます。これからもこの作品を、よろしくお願いします。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
そー氏。(プロフ) - 返答ありがとうございました。いつもこの作品応援しています。ちなみにタイトルが「この十六」になってますよ「その十六」じゃありませんか？ (2019年11月3日 9時) (レス) id: 15750ac93c (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございます。小泉は、普段は髪で隠れて見えませんが、首筋にホクロがあります。基本、見えるところにはありません。ちなみに母親の雪も同じです。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年8月17日 20時
