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夜のターンとなり、皆が携帯に視線を落としている。
自分は今回も行動はしない、今はまだ…そう思っていた時だった。






『通知があります』







司会から届けられたメールを開いたAは目を見開き、そして全てを理解した。







『やってくれたな』







明日、獣の化けの皮を存分に剥がしてやろう。






「はい、皆様おはようございます。
それでは、犠牲者の発表なのですが…おめでとうございます、昨晩は誰も死にませんでした」







「おぉ!」






敦が嬉しそうな顔をする。
そしていつものように、芥川の進行で占い師の結果が告げられるのだが。







「うはは、僕は昨日、人虎君を占い、シロを出した!ゆえに…」






「クロが出た」







鏡花の言葉に、場の空気が張り詰める。
Aは鏡花を見つめ、「誰?」と問う。







「…乱歩さんがクロだった」







その言葉に、乱歩へと視線が集まる。







「僕は人狼じゃない、断言しよう」







「でも、クロだって…!」







「なぁ、一ついいか?」







そう云って立ち上がったのは中也だった。
彼は梶井と、鏡花を見つめてスッと指を指す。







「手前ら二人、人狼だろ」







「なっ」







「根拠は?」







樋口が中也に問いかける。
彼はフッと笑い、口を開いた。






「俺が本物の占い師だからだよ」







誰もが言葉を失う発言だった。
まさか彼が占い師?いや、ありえない。







「俺は、あえてあの時黙ってた。
それがどうだ?二人も出てきやがった。
鏡花がクロ出した時点で確定したが…手前ら身内同士で戦って片方残すつもりだろ?」







「そんなことない!」







「その証拠に、手前ら一回も占い相手被ってねぇだろ。
つまり、シロ判定出した中にまだ仲間隠れてるってことだ」







梶井は顔を青くさせ、鏡花は言葉を失っている。
まさかこの二人が人狼なのか、ならば辻褄は合う。
誰もがそう思った時、







「くっ…」








腕を組んで話を聞いていたAが嗤う。
肩を揺らしながら、心底愉快そうに。







「A、なにが可笑しい」







「ふふっ、はは…だって可笑しいでしょう」








Aは顔を上げると、中也を見つめてフッと嘲るように嗤った。







「そんなのあり得ませんよ、だって…」







Aの指が、梶井と、中也の方を向いた。







「貴方達二人、人狼側なんだから」







狼を狩る時間だ。

*→←*



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もこすけ(プロフ) - あっきーさん» 嬉しいコメントありがとうございます。人狼ゲーム、書いていても楽しかったです。考えるのはなかなか大変でしたが、喜んでいただけて良かったです。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年11月26日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー - 人狼シリーズ大好きです!本当に天才だと思います!!これからも楽しみにしています! (2019年11月25日 17時) (レス) id: d54700ef05 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございました。本当ですね、たった今気づきました。ありがとうございます。これからもこの作品を、よろしくお願いします。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
そー氏。(プロフ) - 返答ありがとうございました。いつもこの作品応援しています。ちなみにタイトルが「この十六」になってますよ「その十六」じゃありませんか? (2019年11月3日 9時) (レス) id: 15750ac93c (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございます。小泉は、普段は髪で隠れて見えませんが、首筋にホクロがあります。基本、見えるところにはありません。ちなみに母親の雪も同じです。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年8月17日 20時

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