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まるで聖女のように微笑んだAは、太宰と中也の安全を確認すると、安心したように深く息を吐いた。
そして、ゆっくりと男達の方を向く。



「…私には、ある信条がある」



二人を守るように前に立ち、手首をコキリと鳴らした。



「経験上、これは殆んど外れた事は無い」



「あ?なんの話をして」



その瞬間、男の顎に強い衝撃が走る。
それが、目の前の細身の少女に蹴り上げられたものだと理解するときには、
彼は完全に意識を飛ばし、その場に倒れ込んでいた。
騒めく周りの男達を尻目に、Aは気絶した男の頭に足をかける。



「子供に手を出す輩は、ロクでも無い人間失格の獣以下だという事が」



昔、引き取られた家で親族から、叩かれたり、言葉の暴力を受けたりした。
そしてそういう輩は大抵ロクでもなかった。



「相手がこの子達でも、決して許さない」



守られるべき穢れのない子どもを暴力でねじ伏せようとする輩は、
今も昔も、ヘドが出るくらい嫌いなのだ。



「泣いて許しを乞え、もう二度とこんなことをしないように…その根性叩き直してやる」



男の頭を踏みつけながら、彼女は女王のようにそう云った。



「…綺麗」



そう云ったのはどちらだったか。
目の前で大の男が女に蹴り上げられ、地べたに転がされる光景はいっそ爽快だった。
あれほど大口を叩いていた彼らはあっという間にAにねじ伏せられ、
泣いて許しを乞うたが聞き入れてもらえず、ただただ冷たく見下ろされていた。



「獣の言葉なんて理解できないし、したくない」



Aは男達を縛り、警察に通報して漸く怒りをおさめた。
そして、太宰と中也の方を向いた瞬間、



「アンタすげぇな!!」



「…え?」



「あれ、あの顎蹴り上げるやつどうやったんだ!?
アンタ細身なのにどうやってあんだけぶっ飛ばせるんだ!!」



キラキラした眼差しの中也に詰め寄られ、Aは固まる。
まるでカブトムシを捕まえた少年のように輝いている。
なんだ、これ。



「僕も頼んだら貴女に痛くなく殺してもらえる?
凄く綺麗な手際だった、ね、僕貴女みたいな人がいいな」



太宰の目も心なしかキラキラしている。
なんだこれ、Aは混乱した。



「どうしてこうなるの…?」



少年二人に迫られたAは嘲笑うかのような快晴を見上げ、呟いた。

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もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します!ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか?! (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年6月16日 20時

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