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ページ38

現れたのは、大きな鎌だった。
それが通り魔の顔の真横に刺さっている。






「異能力…!」







「少し違う」







何もない空間から現れた鎌、しかしそれは異能では無いらしい。
Aは死牙に「ありがとう」と云い、腰が抜けた通り魔を捕らえる。






「死牙さん、縄か何か持ってない?」







「…普通の女子はそんなもの持ってないと思う」








「…そうだな」







「ちなみに有る」







「何故」







「仕事柄」








Aは「成る程?」と云いながら縄を受け取り、手早く縛り上げた。






「手慣れてる…」







「あぁ、上司に教えてもらったから」








「…上司に、人の縛り方を?」








死牙の脳内で、Aが上司に人の縛り方を教わる光景が浮かべられる。
ちなみにだが、双方自分の職は云っていない。
とんでもない勘違いが生まれ始めた。






「そういう、仕事なの?」






「場合によっては、縛ったり転がしたりするけど…」







死牙の脳内でAが人を転がして高笑いする光景が浮かんだ。
言葉が足りない故の、勘違いの連鎖である。







「上司の人、すごい人(?)なんだね」






「いや、そうでもない。
女に甘いし直ぐ川飛び込むし、あと料理は出来ないし洗濯物は…」







「ちょっとまって一緒に…暮らしてるの…?」








「え?うん」








死牙の目が心なしか「なにゆえ?」という風に見えた。
これはAが悪い、普通、上司と同居する元女子高生は居ない。
死牙の中で、Aがどんどん未知の領域に進んでいく。







「…そっか、人それぞれだもんね」








だが彼女は特に言及する事なく、飲み込んだ。
Aは通り魔を縛り上げ終え、警察に引き渡す。







「そろそろ帰る、奢ってくれてありがとう」







「待って、まだ帰る方法が…」








「大丈夫、ちゃんとあるから」








「…そう」








うずまきから出て行こうとする死牙。
Aは「でも、えっと…」と考えた末、







「あの、」








恥ずかしさから目を逸らしながら、







「また、会えたら…その、お話でも…」








珍しく話せる人物に出会えたから。
Aの言葉に死牙は目を丸くし、「ツンデレ…」と呟き、そして。








「勿論」








そう残した彼女の瞳の色は、先程と違う気がした。
Aは「友達できた…」と少し嬉しそうにし、
その後にうずまきから赤飯を届けられた。

太宰兄と小泉母 [姫歌様リクエスト]→←*



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もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します!ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか?! (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年6月16日 20時

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