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このままでは社員が全員Aによってオトされる。
そう確信した太宰は早々に仕事を切り上げ(あまりの早さに社員が騒めいた)、
諸悪の根源となっているAを敦と共に家に帰そう(閉じ込めよう)としていた。
ただでさえ攻略が難しいのに、これ以上周りを惚れさせてなるものかという思惑もあった。
誰にも会わないようにしていたのに…







「芥川…!」







「人虎…!!」








「ああもうなんでこうなるかなぁぁぁぁ」







人目につかないように路地を使ったのが良くなかった。
仕事終わりの芥川と樋口に遭遇した時は流石に運命を恨んだ。
敦君、今は芥川君と争ってる場合では無いよ。
あぁ、聞こえて無いや、うふふふ。
太宰の目が濁っていく、まるで死んだ魚のようだった。






「…二人とも、今日は争うのはやめるんだ。
こっちには破壊力抜群の爆弾が居るんだから」







「爆弾…!?探偵社は何を考えているんですか!」








「生憎、探偵社の過半数がやられた後なのだよ。
これ以上被害を出すわけにはいかない、いや出させてなるか」








「な…芥川先輩、上に報告をしなくては…!」








明らかにズレた太宰と樋口の云い合い。
爆弾という名のAをこれ以上爆破させてなるか。
早く家に帰らせないと、と思ってAの方を向いた。







「居ない!?」








居なくなっていた。
太宰の声に、敦もハッとする。







「敦君!探し給えあの爆弾娘を!!」








「爆弾…小泉Aは爆破の異能者だったのか…」







「芥川君今はどうでもいいから!あの子探してェェェェ!!」








「そういえば…今は近くに黒蜥蜴がいるはず…」








樋口の言葉に、太宰は嫌な予感がした。
すると、路地の奥から何かが倒れる音がして、その方向に向かって走る。
そこには…







「死屍累々」








黒蜥蜴の面々が顔を真っ赤にして倒れていた。
その中心ではAが赤ん坊をあやすように銀の頭を撫でている。
手遅れだった、軒並みダメ人間に落とした後だった。







「よしよし…いい子いい子」








「ぁ…う…」








銀の顔が真っ赤に染まる。
その足元には顔を押さえて倒れる立原も。
そしてこんな時に限って広津が不在だった。







「こ、小泉Aは何をしたんですか!」








「これは…異能か?」








「あぁもうなんでもいいや」








太宰は薄暗い路地を見上げ、おそらきれいと呟くのだった。

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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます!最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです! (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年12月9日 11時

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