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「つまり…要約すると数式を歩きながら解いていたら誰かにぶつかり、
目が覚めたら水の中で、この包帯男に引き揚げられていたと」
ぶつかった人物、というのは気になるが今はそれどころではない。
一人納得するAに、国木田は困惑した顔で説明しろと詰め寄る。
「彼女は私が元居た世界では有名な方でした。
確か、まだ誰にも解けない数式を発明したとかで。
数学のノーベル賞と云われるフィールズ賞の最有力候補として連日テレビに出ていました」
「…お前と同じく、こちらの世界に来たと云うわけか」
それにしてもなんでこんな大物が、と思っていると
太宰が女性の手に触れて「可憐なお嬢さんだ」と口説き始めたので後頭部を引っ叩いた。
すると、女性がAの顔をじっと見つめる。
「貴女…以前にワイドショーで見たお顔です」
小動物を思わせる目で見つめられ、つい苦い顔をしてしまう。
「誘拐か、事故か、はたまた神隠しか…行方不明になっていた小泉Aさんでは？」
ワイドショーで流れていた言葉をそのまま云った女性はAの顔を覗き込む。
Aは小さく、そうですがとだけ云った。
すると女性はパァっと顔を明るくさせる。
「無事で何よりです。こうして生きてるだけでもご家族が喜ばれます」
家族、その言葉に国木田達の顔に緊張が走る。
チラリとAの方を見れば、彼女は冷たい空気を纏い、女性の話を聞いていた。
「戻る方法をきっと導き出して見せます。数学と同じです。
さぁ、一緒に元の世界に帰りましょう？」
女性が手を差し出してくる。
それをAは冷たく見据え、そして国木田達がハラハラしながら見つめる中、口を開いた。
「あの人達が本当に家族なら…私はあそこまで追い詰められなかった。
悪いけど、あんな地獄に戻るつもりは一切ない」
冷たく、突き放すような云い方に女性は驚いた顔をする。
云い過ぎたかと思ったが、下手な同情は神経が逆撫でされるだけだ。
「なるほど…奥が深いですね…。
判りました！元の世界に私だけで戻ったら、ワイドショーで色々ぶちまけてやります！！」
爆弾発言をした女性は、目を丸くさせるAに微笑みかけ、そして手を握った。
「暫くの間お世話になります！」
屈託のない笑みを浮かべた女性の手は水に落ちたせいで冷たかったが、人柄はとても温かいとAは思った。
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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます！最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです！ (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年12月9日 11時
