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歴代のに比べれば怖くはなかった。
だが、何故か足がカタカタ震える。
「…えっと…もしかして偽物の太宰さんの正体って…よよよよ妖か…」
「多分狐に化かされたんでしょ。流石に妖怪とかは初めてだったから驚いたけど」
「…いや手前なんでそんな冷静なんだ!?」
「心臓鋼なのでは…!?」
たいして気にしてもないAは「尻尾九本って珍しいのかな」と、外れたことを呟く。
すると、太宰が片手で目を覆ったまま「あぁ!!」といきなり叫んだ。
「思い出した!!だからあの日、帰ってくるなり『狐の窓』とかいうお呪いしたり
顔面に塩ぶつけてきたりしたのだね!!
私とうとう過去の女性に君がカノジョって云いふらしたのバレたかと思った」
「初耳なんですが?ちょっと表出ろ」
「…いや、普通に怖いよ」
今までの話は幽霊とか心霊現象とか、そんなのだった。
だが今の彼女の話は妖怪。
しかも連れて行かれる寸前だったのが更に恐ろしい。
「だからあの日の夕飯、いなり寿司だったのだね…」
「狐だったら本性現すかと思って」
「いやいや、私どれだけ信用ないの…あと微妙に首絞めるのやめてぇ…」
神隠し、そんな体験をしかけにも関わらず気にもしてないAに一同、微妙な顔をする。
「はぁ…話は終わったので火、消しますよ」
蝋燭に息を吹きかけようとする。
百物語は、最後の蝋燭の火が消えるとナニカが起こるという噂だ。
「…ところでお気づきでしょうか」
ゆらりと揺れる茜色の炎の向こうで、紫の瞳が不敵に光る。
「先程から、この部屋に十八人目が居るということに」
部屋の人数は十七人。
なのに、もう一人いる?
皆が部屋を見渡した時、確かに居た。
暗闇にぼんやりと佇む、人が。
瞬間、Aが火を吹き消した。
「いやぁぁぁぁあ!!」
「ぎゃぁぁあぁぁ!!」
「ああぁあぁあ!!羅生門!!」
「夜叉白雪!!夜叉白雪!!」
「やめろぉぉおお!!髪掴むんじゃねぇ!!あぁぁぁあ!!」
「ちょ、誰、僕の服掴んだの」
「うわぁ!!なにか踏みました!!」
「眼鏡ー!!」
「あぁぁあぁ!!もう二度とやるかぁぁ!!」
暗闇の中、響き渡る悲鳴にAは、あれ炎の光で出来た影なんだけどな、と思いつつ
収集がつかなくなった部屋で横から誰かに抱きつかれ、男と判ると思い切り殴った。
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もこすけ(プロフ) - nino=sakuさん» コメントありがとうございます。怪談、いかがでしたか。実際に遭遇したくはないですね…。 (2019年3月26日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
nino=saku(プロフ) - 主人公の怪談夜中に読んでたので普通に怖かったですw (2019年3月26日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます。わざわざ有難いお言葉感謝します。もう少し続きますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - リクエスト受けてくださって本当にありがとうございます!作品とても楽しみです! (2018年12月7日 14時) (レス) id: 9fddac5d14 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - みぃちゃん,mさん» コメントありがとうございます。小泉のボーカル、見たいてますね。これから登場しますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 10時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年10月28日 18時