＊ ページ39
白い空間に元マフィア幹部と魔女の娘、もとい上司と部下。
間にはフリッフリのメイド服。
問題は、これをどちらが着るか。
「ちょ、ちょっと待ちたまえ。
まさか君は"コレ"を私に着ろと云うのかい？」
「えぇ、貴方にもその権利がありますから」
「…冗談だろう。
二十二歳成人男性のメイド姿なんて放送事故でしかないよ」
「そういうのが好きって人も居ますよ」
「ねぇ、その驚くほど白々しい台詞はなんだい。
私は確かに美青年だがこれはさすがに…」
「美青年…？」
「あーあーあー！私結構顔立ちは整ってるのに君から見たらこうだもんなぁ！
それ結構傷つくからやめて！私のプライドズタズタ！！」
母親譲りの顔面偏差値の高さの顔でAは首をかしげる。
くっ、その表情可愛い、と太宰は呻いた。
恋は病と云うが重症である。
「まあ、似合うと思いますよ。
ダザイサントッテモカッコイイデスカラ」
「うっわ…ひどい棒読みだ…。
…Aちゃん、私にも男のプライドがあるのだよ。
見たまえこれを、こんなの私が着たら…どうなるか判るね？」
Aの頭の中に、黒いふりふりのメイド服を着た太宰がお帰りなさいませとスカァトを翻す。
瞬間、Aは口を押さえた。
「変態…」
「想像しておいてこの云い様」
「正直引きます」
「だろう？私が云うのもなんだけど通報レベルだよ」
「でもここには私と貴方しか居ないので関係ないです。
ある程度の視覚的暴力は耐えます」
「一歩も譲らない姿勢、嫌いじゃないよ」
男としてのプライドと、A個人としてのプライド。
絶対に譲れない戦いがそこにある。
「Aちゃん、一度よく考えたまえ。
メイド服は本来女の子の服だよ。
ここはひとつ、後輩として先輩としての私の矜持を守ってくれ」
「そうですか…絶対に嫌です」
「頼み方を変えよう。
受け入れないのであれば一昨日の依頼で君が左手を怪我したことを与謝野先生にバラす」
「！？」
「私が知らないとでも？ほら、早く着たまえメイドさん」
まさかの脅しにAが歯ぎしりをする。
涼しい顔の太宰に恨みがましい目を向けつつ、メイド服を持つ。
そして覚悟を決め、一言。
「着替え見たら、目玉抉り出して殺す」
脅しではない、本気の目に太宰は口元を引きつらせた。
本気とかいてマジと読む。
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もこすけ(プロフ) - ReiLeiさん» コメントありがとうございます。そんなに読んでくださりましたか。とても嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年12月26日 20時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ReiLei(プロフ) - 3週目するくらい面白い。 (2018年12月26日 17時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 朧月さん» ありがとうございます。これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。 (2018年10月28日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - リクエストありがとうございました！これからも更新を楽しみに待っています＼(^^)／ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます。こちらもリクエストをいただき、こうして書けることがとても楽しいです。皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします。頑張ります。 (2018年10月27日 16時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年9月29日 19時
