白虎と出られない部屋 ［あい様リクエスト］ ページ35
出られない部屋、それはお題をクリアしないと暴れようが何をしようが外に行けない部屋だ。
それに閉じ込められた、ちなみに三回目だ。
Aは全てを諦めたような目でモニターを見つめた。
すると、
「うぐぇ！！」
落下音と共に、白い髪の青年が落ちてくる。
彼を見てAは「あ、今回はまだいい相手だ」と少しホッとする。
「敦、大丈夫？」
「いたた…A、ちゃん？ここは…」
「理不尽なお題をクリアしないと出られない、気の狂いそうな部屋」
何処か殺気を匂わせるAに敦は引きつった悲鳴をあげる。
四方が壁に囲まれ、異能が発動しない。
あるのはモニターのみ。
「まあ、前々回に比べたらずっといい」
「え…前々回は誰だったの」
「思い出すのも悍ましい」
「あ、はいすみません」
虚空のような目を見て、敦は大人しくなった。
それより今はこの部屋から出ることが先決だ。
『お題の発表をさせていただきます』
「昔は殺意も湧いたけど、もう何も思わない』
「といいつつ拳銃の銃弾を確認するのは無意識なんだ…」
『お題は…野球拳をしてどちらかが勝たないといけません』
野球拳、世間ではじゃんけんをして負けた方が服を脱ぐ、云わばお色気系ゲームとして人気だが、
当の二人は首を傾げモニターを見つめる。
「ヤキュウケン…ってなに？」
「野球に、拳のけんだから…野球をして殴る、ゲーム…とか？」
「待って、拳を作らないで、僕に勝ち目がなくなる」
力技にしようとするAに、見兼ねたようにモニターからゲームの内容が伝えられた。
「服を脱いでいくゲーム…異性とこれをやれと？は？」
「終わった…なんてゲームさせるんだよ…僕もう帰りたい…」
どちらかが服を脱ぎ切るまで終われない。
同性なら未だしも、異性。
鬼としか思えないゲームの内容にAは銃弾の数を数え始め、敦は蹲る。
脱ぎたくないし、脱がせるのも嫌。
いっそ殴り合いの方が、武術が優れているAに一発KOされて終わりの方が良かった。
だが現実は非情、やるしかないのだ。
「Aちゃん、あの…話し合いしない…ってなにしてるの！？」
「モニター撃ち抜こうかと」
「やめて！！引き金に指かけないで！顔が死神みたいになってるから！！」
「面白い冗談だね、そこ退け」
「待ってぇぇ！！」
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もこすけ(プロフ) - ReiLeiさん» コメントありがとうございます。そんなに読んでくださりましたか。とても嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年12月26日 20時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ReiLei(プロフ) - 3週目するくらい面白い。 (2018年12月26日 17時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 朧月さん» ありがとうございます。これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。 (2018年10月28日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - リクエストありがとうございました！これからも更新を楽しみに待っています＼(^^)／ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます。こちらもリクエストをいただき、こうして書けることがとても楽しいです。皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします。頑張ります。 (2018年10月27日 16時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年9月29日 19時
