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「太宰さん、その顔やめてくれませんか」



「なんだい二十三回女性に声をかけられたAクン」



「二回声をかけられた太宰さん、いい歳した大人が頬膨らませないでください」



「あーあーあー!聞こえなーい!!」



「餓鬼かアンタは」



いつもなら女性と目が合い微笑めば一発だった太宰は判りやすく不貞腐れる。
Aは女性に声をかけられまくった。
それも年上の女性にばかり。



「年上キラーだ」



「だからその顔やめてください」



見目麗しい男子二人の会話とは思えない内容を繰り広げていると、
ある高級服屋の前で太宰の足が止まった。
その視線の先には黒の高級車。



「うげぇ…あれもしかして」



「おや、太宰君」



店から出てきた人物は太宰を見ると親しげに声をかけた。
その様子に太宰は更に苦い顔をする。



「偶然だねぇ、こんなところで会うなんて」



その人物は森鷗外だった。



「…それで?彼は新入りかい?
誰だいこの驚くほど顔がいい少年は」



森の視線がAの方を向く。
彼は太宰のとなりに立つ美青年の正体が判らないらしい。
云おうか悩んでいると後ろから可愛らしい少女の声と青年の声が聞こえた。



「チュウヤ!肩車して!」



「いや、流石にこの状態では…」



「げ」



「は」



買物箱をバランスよく積み上げ持っている中也と太宰の目が合う。
その瞬間、互いにこれでもかと嫌そうな顔をした。



「なんで手前が、消えろや青鯖」



「小さいのが喋ってる〜聞こえなーい」



おちょくる太宰にAはやめろと声をかける。
すると中也は丸い目でこちらを見ていた。



「…誰だ手前」



心底判らないと云った顔にため息をついて答える。



「Aです」



即答すれば中也は勿論、森やエリスも唖然とする。
その様子に太宰が噴き出した。



「はぁ!?嘘だろ!?」



「異能で男になったんです」



「なんで、んな色男になってんだよ!」



「これは驚いたねぇ」



「Aかっこいいわ!コウヨウにも教えなきゃ!」



騒ぐマフィア勢に耳を塞ぐ。
すると中也は自分より遥か上にあるAの目を見て、低い声を出した。



「直ぐ戻れ、でないと縮める」



「何故」



「男として譲れねぇモンがあんだよ!」



中也は首を傾げる美青年に、いいか絶対だぞと念を押し、そう叫んだ。

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もこすけ(プロフ) - 有栖さん» リクエスト承りました。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2018年8月13日 6時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - リクエストです。薬か何かで小泉ちゃんが5歳くらいになって、武装探偵社で天然笑顔や、寂しがり屋を披露して太宰さんの事をお兄ちゃんって呼ぶって感じのお願いします!!!!!多めですみません!この作品めっさ好きです! (2018年8月12日 23時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ゼロレールさん» リクエスト承りました。わざわざコメントありがとうございます。感謝します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロレール(プロフ) - リクエストいいでしょうか?以前にやった幼い太宰さんの逆トリと同じで、幼い中也さんの逆トリお願いします。後、前回コメントができず、すみませんでした。リクエストは無理でしたらスルーでも構いません。よければ宜しくお願い致します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 3e587b9082 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 千晴さん» こちらこそありがとうございます。 (2018年8月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年7月22日 21時

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