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ページ23

幼児化した太宰の保護者に任命されて数時間。
社員達は出社するとまず太宰少年に驚き、そして事情を知ると「苦労するな」と肩を叩いてきた。
じゃあ代われと云えば「?」みたいな顔をされる。
優しい仲間に囲まれて幸せですよ、えぇ。







「仕事の邪魔だけはするな」







「退屈」








「絵本でも読めばいいだろう」







「僕そんな子どもじゃないよ」








最初こそいつ喉を掻き切られるかとヒヤヒヤしたが「道端に倒れてたから拾った」と説明したら何故か理解してくれた。
ちなみに服はナオミからもらった昔の谷崎のものだ。







「ねぇお姉さん、僕暇だよーねぇぇ」








「敦」








「ぼ、僕仕事行ってくるね」








そそくさと鏡花を連れて出て行く敦を殺意すらこもった目で見送る。
去り際、鏡花がぐっと親指を立て、応援してくれたが、なら代わってくれと思う。







「お姉さん」








その時、太宰の声が変わった気がして、椅子に座った状態で勢いよく振り向いた。
そして太宰の右手を掴む。






「おぉ、すごい」







「お、ま、え、な」








つい口調が荒くなったしまった。
太宰の手に握られているのは鋏。
さっき机から抜き取ったのだろう、本当に油断ならない。







「大人しくしてろって云ったはず。これあげるから仕事終わるまで待ってろ」








「えー嫌だ」









金平糖を押し付けつつ、大人しくしてろ、嫌だ、頼むから、じゃあジサツさせて。
そんな攻防を続ければ当然仕事は止まるわけで。
すると、ポンと国木田に肩を叩かれた。







「A、有給だ」







「ちょっと待ってください、追い出すつもりですか」







「何かあれば電話しろ、出来る限り応える」







「国木田さん、話をするときは目を見ましょう」








「…頑張れ」







抵抗虚しく有給を取らされた。
つまり、この油断ならない餓鬼と二人でいないといけないのだ。







「お姉さん、いい顔だねぇ。ストレスで胃に穴が開く音が聞こえるようだ」







「このくそ餓鬼…」







自分が知る子ども、Qが素直だっただけに彼はモンスターにすら見えた。
本気で異能者を絞めあげようと考えていると、隣からキュルルという音がする。







「…お腹すいたの?」








太宰は答えない。
素直じゃないと思いつつ、Aは社屋を目指して歩き出した。
その後ろを太宰はヒヨコのようについてくる。
冷蔵庫の中を思い出しながら歩いた。

*→←*



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もこすけ(プロフ) - 有栖さん» リクエスト承りました。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2018年8月13日 6時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - リクエストです。薬か何かで小泉ちゃんが5歳くらいになって、武装探偵社で天然笑顔や、寂しがり屋を披露して太宰さんの事をお兄ちゃんって呼ぶって感じのお願いします!!!!!多めですみません!この作品めっさ好きです! (2018年8月12日 23時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ゼロレールさん» リクエスト承りました。わざわざコメントありがとうございます。感謝します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロレール(プロフ) - リクエストいいでしょうか?以前にやった幼い太宰さんの逆トリと同じで、幼い中也さんの逆トリお願いします。後、前回コメントができず、すみませんでした。リクエストは無理でしたらスルーでも構いません。よければ宜しくお願い致します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 3e587b9082 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 千晴さん» こちらこそありがとうございます。 (2018年8月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年7月22日 21時

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