【黒バス】藍色少女の噂話 EXTRA GAME 2

続63話 ページ14

弾かれたボールに会場は一気に湧き上がる。
ナッシュのあのスピードに追いつくとは流石は【天帝の眼】。
ボールをとった赤司の行く手を阻むジャバウォックの選手。
だが、今の彼を止めるには力不足なのは目に見えていた。









「どけ、これは命令だ」









この空間において、彼の命令は阻まない。









「そして覚えておけ」









無駄のない、洗練されたボールさばき。
相手はボールをどうにか取ろうとするが、それは罠だった。
相手の重心が後ろに傾く。
そして腰から崩れ落ちた。









「僕の命令は絶対だ」









一人をアンクルブレイクでひれ伏させ、
向かってきたもう一人の意表を突いて左にパスを出した。
相手は火神。持ち前のスピードで敵をかわし、ダンクを決めようとした。









「うわっ、アイツ速ッ！！」









火神のダンクは叶わなかった。
それは横からシルバーがボールを叩き落としたからだ。









「速攻は失敗ですか…しかも」









藍澤が視線を移す。
そこにはダブルチームをつけられた緑間がいた。









「３Ｐを警戒してのダブルチーム。

誰かが指示したわけでもなければ

タイムアウトを取ったわけでもない。

各自の判断でちゃんと対応している…。

単細胞ではありますが馬鹿ではないみたいですね」








「でも、それって一人自由になるってことだよね？

フリーになれば点も入るかもしれないんじゃ…」









桃井の問いに藍澤は口元に手を当てる。









「どうでしょう…

確かにチャンスはありますが…

相手もそれほど簡単ではありませんからね」









シルバーは火神の戻りについていき、
なおかつ、火神から赤司、赤司から紫原のパスにも反応した。
彼はボールの動きについてきている。









「今のは恐らく運が良かったから点が取れました。

黄瀬さんのリタイアによりシルバーが復活し、

今まで通り大暴れできますからね」









それに、相手はまだ…。
ペンダントに触れ、深呼吸する。









「使わない、使っちゃダメ。でも…」









相手は、ナッシュはまだ切り札を隠し持ってる。
自分達を負かすには十分なカード。
それを土台に何枚ものカードを持っている。
対する自分達のカードは限られている。
だが、あの力さえ使えれば。









「【冷たい眼】さえあれば…！！」

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