箱根のエーススプリンターは元彼です (ページ13)

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「ほんとに信じらんない亮介!!」

イライラがMAXで歩いていると下駄箱まで来たので

「ごめんね。付き合わせて！私教室にカバン取ってくるから、新開先に行ってて！」

じゃっ後でと新開と別れて教室に向かおうとすると、手首を掴まれた。

「な、なに？」

隼「おめさんはさ…亮介と付き合ってるのか？」

「へ？はぁーーーーー？？？」

いきなり来た予想外の質問に思わず声が漏れる。

「ないないないない！ないです！」

手や首を振り全力で否定する。

隼「そっか、よかった。すげぇ仲良さそうだったから。」

「家が近いだけなの、ほんとにあいつは勘弁。ん、、？」

“よかった”って言わなかった？空耳？都合よくそう聞こえただけ？
ゆっくり顔をあげ、新開の顔を見ると

隼「…俺、おめさんがAの事が好きだ。」

「…え、」

生徒が帰って静まり返った下駄箱に2人きり。程よく夕日が入ってきて、いつもより彼を大人っぽく見せてくれる。

隼「…いきなり言われても迷惑だよな。ごめん先部活行ってるな。」

バツが悪そうに自分の髪を少しいじり、外に出ていこうとする。

「まって！わ、私も好き!!」

新開の腕を掴み、引き止め考えるよりも先に言葉が出てきた。そして全身があつくなった。

隼「!!」

目を見開いてこっちを見つめてくる彼

隼「俺と付き合ってくれますか？」

「うん。」

中学1年秋夕方の下駄箱で私たちのお付き合いは始まった。