70:BBQ ページ22
ーnoside
ー2日目、夜
滝川が風呂に入ってる男子を急かし、女子が颯爽と支度を終わらせた事もあって、バーベキューは予定より早めに始まった。
そして、始まったバーベキューでさえも食べ盛りの高校生たちは肉や野菜をすぐにペロリと食べてしまう勢いだ。
そんな中、蓮は楽しむ彼らを写真に収めながら周囲を見渡した。
女子たちと七緒、焼肉奉行をする海斗に色々言われている湊、静弥、遼平。
ただずっとそのメンバーでいる事はなく代わる代わるそれぞれが話して、笑い合う。
それが蓮にはとても良い画が撮れていると大変に満足だった。
そして不意に、今回裏でずっと心配していた保護者2人にカメラを向けた。
それは、思えば部員ばかりで彼らをあまり撮っていなかったからだ。
Aとは初対面だが弟の雅貴はコーチを始めて変わった。
せっかくだからその姿を写真に収めようと思い、蓮はレンズ越しに彼らを見た。
蓮「…ん?」
違和感を覚えて、カメラからではなく自分の肉眼でその光景を見る。
そこには楽しそうに笑う自身の弟と、からかわれているのか少し怒っているAの姿があった。
(あいつ気に入った相手をいじる癖昔っからだな。)
一瞬抱いた違和感はさほど無く、気のせいであったかと思っているとAは紙皿を持ってその場から離れた。
その時、離れる彼女を見る彼の表情がふいに綻んだ。
蓮「!…へぇ〜?」
蓮はしれっとその表情を写真に収め、再び部員へとカメラを向けた。
ーーー
バーベキューが終盤にさしかかると、Aが皿の片付けをしながら、隣で紙コップをまとめる小野木に話しかけた。
『小野木、この後なんだけどさ』
小「あ?別にこの片付け以外に特にねえだろ?」
『うん。だから終わった後、袴着て弓道場に集合な。』
小野木は動かしてた手をピタリと止めてAを見た。
小「それって…」
『大人にはあんま言わんでな』
彼女は彼のほうを向かずに食べカスを大きな皿にまとめていく。
その言動は弓道場に袴で向かう意味と、何をしようとしているのかを表していた。
それでも、小野木にとっては嬉しさのほうが勝った。
気づいた途端に彼の茶褐色の瞳が光り出す。
小「…っわかった。」
そう言うとAは小野木から離れた。
小(引けるなら、七緒を呼んで…あとは鳴宮たちも)
アイツだって、早気を治さなくちゃいけねぇんだから。
そう考え、小野木は鳴宮らに事情を話し片付けが終わるようにさらに行動を早くした。
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白雪 - 初めまして、白雪と申します。ツルネの話が読めて嬉しいです。更新楽しみにしています! (12月26日 11時) (レス) id: c47909f85b (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます!!数年前の一期の話ですが…気長に読んでいただければ嬉しいです! (7月29日 20時) (レス) id: 2bd9d8ee2e (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月29日 8時) (レス) @page17 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 | 作成日時:2023年4月2日 16時