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013:わがままリスとひねくれひつじ ページ14

「あーあ。逃げられちゃった。」
「でも、随分大きな収穫はあったね。」

Aの携帯を拾いながら、僕は言う。

そして、その携帯をもう誰にも渡すまいと抱き抱える。

其んな僕を見たおそ松兄さんは、顔をニヤリと歪ませる。

「…一緒に見ようぜ?」
「もっちろん。」

僕も同じ様に顔を歪ませる。

こんなに愉しい気分に為ったの、いつぶりかなぁ。

「嗚呼、これからが愉しみだよ。」
「奇遇だな。俺も、同じ気持ち。」

そして、こんなにおそ松兄さんと息が合うのもいつぶりだろう。

携帯を開くのが愉しみ、Aの顔を見るのが愉しみ、あの男が消えるのが愉しみ。

あああああ。狂ってる狂ってる狂狂くるくるくる。

変な方向に廻り出す頭に快楽を感じながら、Aの携帯を開く。

指は少し震えていて、息が荒く成るのが自分でも解る。

「まぁ、ま。そんな焦るなって。携帯は逃げやしないんだから。」
「あ、ああ。うん。そうだよね。」

少し焦り過ぎたと自分でも反省。

やっぱり兄さんはいざと云う時にブレーキを掛けてくれるからいいよね。

「しかし、Aは何で自ら携帯を置いて行ったんだろうね?」
「携帯の中身を見て貰いたいM系女子なんだろ。」
「ちょ、兄さん。イメージが…。」

「…でも、ドMなAも好きなんだろ?」
「………うん。好き。」

『狂おしい程に。』

携帯の電源を入れる。

すると、早速出てきたのは、大嫌いなあの男とAのツーショット写真。

「…早速、やる気失せた…。」
「こんなんを待ち受けにしてんのか彼奴…!」

案の定、其処から先はロックが掛かって居た。

「…さぁ、考えるぞ。」
「…本当に?」
「本当に。」

兄さんの顔は真剣その物。

どうやら本気の様で。

「だって、『俺達の女』何だ。どんな事も知っておかなきゃ。」
「……そうだね。」

我が儘な兄さんと、その相棒の僕が段々とひねくれていくお話。

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もき(プロフ) - 天災めろんそーださん» めろんそーださん!前作にもこの作品にもコメントありがとうございます!御気遣い嬉しいです!更新頑張ります! (2016年10月28日 18時) (レス) id: 0db99287f2 (このIDを非表示/違反報告)
天災めろんそーだ(プロフ) - やっぱりこの文体すっっごく好きです...!!今後の展開が気になります、更新待ってますけど無理はしないで下さい! (2016年10月25日 20時) (レス) id: 24a55969ee (このIDを非表示/違反報告)
もき(プロフ) - 狼(ロウ)さん» わぁ!コメントありがとうございます!励まされます!ちまちまと亀更新ですが、頑張って進めていきます! (2016年10月24日 20時) (レス) id: 0db99287f2 (このIDを非表示/違反報告)
狼(ロウ) - 更新楽しみにしています! (2016年10月24日 9時) (レス) id: bcea7fb783 (このIDを非表示/違反報告)
もき(プロフ) - ちまきさん» コメントありがとうございます!大正解です!面白いと思って頂けて嬉しいです!ちょくちょく更新していきますので、これからも是非、愛読おなしゃす! (2016年10月23日 14時) (レス) id: 0db99287f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もき | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年5月25日 21時

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